具体的内容:1)フィリピン共和国およびベトナム人民共和国の両国から、日本国内において介護労働者として就労を希望する人々が就学する専門学校の教員各2名ずつが別時期に日本に来日。約3週間の滞在期間に複数カ所数種類の第1種と第2種社会福祉事業施設で職業体験研修を実施した。フィリピン来日教員=都内特別養護老人ホーム、身体障害者療護施設、愛知県内特別養護老人ホーム、高齢者デイケアサービス施設、認知症ケア施設。ベトナム来日教員=都内特別養護老人ホーム、愛知県内特別養護老人ホーム、高齢者デイケアサービス施設、認知症ケア施設。研修日1日毎に作成された詳細記録を質的に分析した。 当初の研究計画外であるが、在宅訪問介護への同行も短日、試行的に行なっている。 2)上記教員は帰国後、介護職希望学生への教育に従事した。この際に来日前後の教育内容の比較検討を行い、そのカリキュラムに沿った教育を実施した。これを受講した学生の教育効果の測定を日本就労時に実施予定していたが、技能実習と特定技能査証利用の制度が、発足後も来日者が事実上皆無であったため未実施となった。その代替研究として、当該国内において受講学生のアンケート調査を実施している。 3)19年夏帝京科学大学で行われた日本健康心理学会において国際シンポジウム「日本の外国人介護労働の現状と未来」を企画開催。300名以上の来場者を迎え、海外研究者2名国内研究者2名で発表と議論を展開した。 意義と重要性:日本の第1種施設に対する労働内容を外国人介護教育機関教員および学生の評価(価値評価を含む)を得ることができた。また、送出し国内での事前研修教育の重要性ならびに求められる研修教育の具体的指針についての知見を得た。これらを総合してメタ化した分析により、外国人が第1種施設において介護労働することの適応性について根本的な不適合の可能性があることがわかった。
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