研究課題/領域番号 |
17K04279
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研究機関 | 佛教大学 |
研究代表者 |
朴 光駿 佛教大学, 社会福祉学部, 教授 (30351307)
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研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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キーワード | 東アジア家族主義 / ケアギヴァー / 高齢者介護 / 比較研究 |
研究実績の概要 |
平成30年度の研究は、高齢者介護に関する調査(中国・韓国での調査)、高齢者介護に関する東アジア国際会議の開催、中間報告という3つの方向で行われた。 (1)中国と韓国における高齢者ケアに関する実態調査及び聞き取り調査を行った。韓国の場合は、韓国高齢者ケア政策、ケアギヴァーの実態に関する聞き取り調査を3回行っている。主に、老人長期療養保険制度実施(2007年)以降の変化について、高齢者ケアに関わる事業所や保険者(老人長期療養公団)、研究者を対象にした聞き取り調査である。また、韓国南部の中小都市、晋州地方の高齢者家族介護の調査を行った。中国の高齢者介護については、2019年1月22日から26日の間、吉林省延辺州地域を中心に研究者、高齢者介護関連の公務員、施設長などを対象に、聞き取り調査とともに資料収集を行った。また、現在推し進められている脱貧困事業の現場調査を行い、脱貧困事業と高齢者介護とのかかわりについて、事業担当者を対象に聞き取り調査を行った。 (2)2018年8月23日から26日の間、韓国の済州道にて佛教大学総合研究所との共催で「第2回東アジアにおけるケアと共生を模索する国際会議」を開催した。会議では日本をはじめ、中国と韓国の研究者による14本の研究報告がなされ、報告論文集も発行された。 (3)研究の中間報告としては、2019年3月14日、韓国保健社会研究院主催の「第20回グローバル社会政策フォーラム」にて研究報告を行った。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
研究は計画通り順調に進められている。
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今後の研究の推進方策 |
2019年度の研究は3つの部分から成る。それは、現地調査及び聞き取り調査、国際会議の開催を通した情報交換と資料収集、そして研究成果の報告、の3つである。 (1)市場化政策の影響に関する現地調査および聞き取り調査:市場化政策以降、ケア・ケアギヴァーの状況はどう変化したのか、子女の有無によってどのような格差があるのかを明らかにするために、東アジアのさまざまな高齢者施設の施設長、官僚から聞き取り調査を中国と韓国で行う。中国の場合、近年になって失独家庭に対する特別な支援を実施しているが、そうした政策の背景・正当性・影響について、関連専門家から意見を聴取し、その制度に対する総合的評価を行う。また、補足的聞き取り調査を実施し、研究のまとめに向けての検討を行う。今までの研究や聞き取り調査結果をふまえ、必要な場合、研究を補足するための専門家意見調査を行う。 (2)研究成果報告のための国際シンポジウムの開催:2019年12月14日から17日まで佛教大学にて、中国・韓国の海外研究協力者4名を含む東アジア高齢者ケア専門家が参加する国際シンポジウムを組織する。報告する国際シンポジウムを研究代表者の所属大学で組織する。 、中国・韓国の研究協力者4名を招聘して行う。 (3)研究成果のまとめを行い、報告書を作成・提出する。
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次年度使用額が生じた理由 |
高齢者介護に関する聞き取り調査の日程が延びたために、計画より1万円余り支出が多くなった。次年度の研究に支障はないと判断する。
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