研究課題/領域番号 |
17K04285
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研究機関 | 大阪人間科学大学 |
研究代表者 |
中川 千恵美 大阪人間科学大学, 人間科学部, 教授 (30280035)
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研究分担者 |
中島 尚美 大阪市立大学, 大学院生活科学研究科, 特任准教授 (00510174)
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研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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キーワード | 親性準備性 / 母子保健との連携 / 継続した養育体制構築 / 児童虐待発生予防 / 子育て世代包括支援 |
研究実績の概要 |
今年度は、継続研究を基に母子保健との連携について、再度その事業評価等に着眼し、研究成果を海外学術集会(International Support of Prevention of Child Abuse Network)にて報告した。 加えて児童の自立と親性準備性について、命を育むベースとなる性教育実践の集会にも参加し、地域での取り組みについて、知見を得ることができた。 さらに、フィンランドのネウボラ担当者の研究視察での代表的な日本の子育て世代包括支援を実践する自治体訪問に交流する機会を得て、対話の場となる妊娠期からの切れ目ない支援の理念や日本での展開実施について、改めて理解する機会を得た。 また、親性準備性については、母子保健現場で、次世代への親性準備性に着眼した思春期への取り組みを実施する自治体の発表を受けた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
本格的な海外での学術成果報告への時間を、思いのほか費やしてしまった。加えて対象現場の選定に関する情報収集や関連する研究会への参加で得た情報が多くなり、検討に時間を要した。 当初の研究目的である親性準備性と子どもの育ちに関する切れ目ない支援における多職種連携に着眼したが、連携に関する視点が拡散した。 今回フィンランドネオボラの実践研究舎と交流する機会を得たことから、連携に欠かせない対話の場となる支援体制の構築等も加味したヒアリング調査方向性や調査現場の検討を、さらに精査した。 加えて本務業務が多忙となり、研究への時間調整が厳しい状況が生じた。
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今後の研究の推進方策 |
今年度は、改めて研究目的にあげた内容及び成果を充実したものへと導くために、以下検討し、研究を進める。 児童虐待予防となる親性準備性と児童の自立へとつながる実践(グッドプラクティス)検証を進めていく。 ポピュレーションの中核を担う自治体母子保健事業や学校保健現場、地域支援拠点事業所等、多様な児童の自立に向けた支援に取り組み現場へのヒアリング調査を経て、子どもの育ちにおける早期からの多職種連携の実際やそのパターンについて、質的な分析を進め、その要因を検討していきたい。
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次年度使用額が生じた理由 |
今年度において、国際学術学会での成果報告に時間を費やした事が第一の理由であった。加えて研究目的としている、児童虐待発生予防を着実に進めるための「親性」の育成を促す支援の連携実践モデル構築に向けて、以下調査対象をさらに精査する必要が生じた。 地域子育て支援事業と母子保健の連携に留まらず、児童虐待発生予防を着実に進めていくうえで、特に思春期から妊娠期にかけての「親性」の定着は、継続的支援に有効である。そのため、母子保健・学校保健・地域の福祉専門職の有機的な連携について、先進的な実施に向けて得た情報から、ヒアリング調査の精度を上げて取り組んでいく。 学会発表や現場実践者、利用者にも周知をはかる公表の機会を模索したい。さらに、多職種連携のパターンについて、グッドモデル等の質分析を中心にしながら、量調査分析へも展開したい。
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