【目的】本研究においては、要対協における15~18歳未満の被害児の実態を明らかにし、相談員としての資質や条件をも示しつつ支援モデルを作成する。【方法】2018年6月に全国市区悉皆調査を実施し、15歳以上については15歳未満から支援してきた事例と15歳以上から関わっている事例につき各2事例の回答を依頼した。回答のあった218か所から、実際に子どもとの面接を実施している市区を15カ所抽出し、本年度である2019年度、直接現地ヒヤリング調査を実施した。ヒヤリングの協力地は、人口50万以上2か所、20万人~50万未満3か所、10万~20万未満7か所、10万未満3か所で地域は東北、関東、東海、関西、中国、四国、九州、沖縄である。調査項目は、相談状況、要保護児童対策地域協議会活動状況(個別ケース検討会議利用状況等)、15歳以上の子どもへの支援の工夫、実際事例からの工夫と課題等である。【結果】15歳以上の子ども面接を実施している自治体はアセスメントを意識しつつ、子どもの訴えを尊重し聴き取る力のある5年以上のベテランの多い点が示唆された。継続的に関わることで、信頼関係が構築されていた。子どもへの相談は、児の実態把握のため相談員が二人体制で家庭訪問する工夫がなされ、生活保護、障害福祉関係、青少年の就労支援関係などとの機関連携がされていた。中学卒業後、所属がない場合も多いため、定時制、通信制をはじめとした学校教育の場としての居場所を確保することを目標におき、定時制高校との連携をとることで、フォロー体制を作ることも実施していた。【結論】量的、質的結果を検討したうえで、15歳未満からすでに支援をしている事例も多いことから、乳幼児期、学齢児の留意ポイントを挙げたのち、15歳以上の支援については、8項目にまとめ支援モデル案を提出した。18歳以上への引継ぎは課題としてあげた。
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