研究課題/領域番号 |
17K04291
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研究機関 | 福山平成大学 |
研究代表者 |
杉本 浩章 福山平成大学, 福祉健康学部, 教授 (50449469)
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研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2022-03-31
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キーワード | 終末期ケア / ケアマネジメント / 専門職間協働 / 多職種連携教育 |
研究実績の概要 |
本研究は2つの研究課題で構成している.①IPW調査は,パネル調査対象チーム3チームに対し,介入群の1チーム(新規追加チーム)にはIPW研修による介入後にIPW調査(量的調査)を,非介入群の2チームにはIPW調査を実施した. 平成29年度以前からの調査対象チーム6チームのうち,1チームは解散により平成29年度で調査対象から除外しており,地域の多機関の職種で構成する別の1チームは,構成員の大幅な変更のため新たなチームとみなし,平成30年度にIPW調査のみを実施した.平成30年度には2チームを加え計7チームの体制としていたが,チームの解散やCOVID-19禍の影響で調査実施が困難となり,令和元年度は当初計画の9チーム体制から数を減らしている. IPW調査の中間分析では,IPW研修の受講度合いによる意識や行動の変化を明らかにした.ケアの質を高める課題として,IPW研修の未受講者は療養や最期の「場所」の確認に着目していたのに対し,受講者は多職種での「情報共有」を挙げた.また,受講回数が多いほど,主介護者との話し合いという具体的行動に結びついていた.加えて,受講回数が増えるほど,多職種チーム・モデルとして「統合モデル」を志向する傾向がみられた. ②IPE調査については,当初計画で2つのチームに対するインタビュー調査を予定し,特別養護老人ホーム2施設の多職種に対しフォーカスグループインタビューを実施した.別の1チームは地域の多機関の職種で構成しており,COVID-19禍の影響で調査困難となった.インタビューを通じ,IPW研修によるチームメンバーの行動変容など効果が確認できた一方で,受講していない他の職員への伝達などの課題が明らかになった. なお,調査研究の成果は,論文1本(「終末期ケアにおける多職種協働を促進する研修プログラム―受講者の意識と行動の変容に着目して―」)で報告した.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
①IPW調査において,当初計画では9チーム体制とする予定であったが,COVID-19禍の影響で調査困難となり,新規追加チーム1チームを含めた3チームに対する調査にとどまった. ②IPE調査において,同じくCOVID-19禍の影響で調査困難となり,地域の多機関の職種で構成するチームに対しての調査が未実施となった.
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今後の研究の推進方策 |
令和2年度は,COVID-19禍の影響で当面の調査実施が見通せないことから,これまで収集した調査データの分析を最優先で推進する. そのうえで,当初計画に基づきIPW調査を進めるが,追跡するチーム数を回復するため,既存チームに対する調査継続を追求するとともに,新規チームの開拓を行う. それと同時に,IPW研修を複数チームで実施し,IPE調査(フォーカスグループインタビュー)を実施することで,個人及びチームレベルの成長過程についての類型化を行う.
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次年度使用額が生じた理由 |
IPW調査及びIPE調査において,当初計画の調査件数が確保できなかったことにより生じた.調査件数が確保できなかった理由は,チームの解散やCOVID-19禍の影響で調査実施が困難となったためである. 生じた次年度使用分については,IPW調査における当初計画の調査対象9チームを確保し,調査を実施する費用に充当する.
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