本研究は2つの研究課題で構成している.当初計画において,①IPW調査は,介入群の4チームにはIPW研修による介入後にIPW調査(量的調査)を,非介入群の5チームにはIPW調査を実施する予定であったが,COVID-19禍の影響により実施を見送った.一方で,最終年度であることから,COVID-19禍以前に調査協力を得た8チームを対象に,本研究プロジェクトの最終調査を実施した. また,②IPE調査については,令和元年度に未実施となった地域の多機関の職種で構成するチームを対象としていたため,パネル調査として実施が不可能となった. なお,これまで収集したIPW調査データの分析の成果として,研修受講による意識や行動の変容について,職種での違いの検証結果を雑誌論文(「終末期ケアにおける多職種連携のための研修プログラムが及ぼす影響」)として発表した. 主な結果をみると,ケアの課題として,福祉職の未受講者は「場所の確認」を,医療職の受講者は「生活中の願い」を多く挙げるなど職種による認識が異なっていた.また,福祉職においては,受講回数が増えるほど主介護者との話合いの頻度が高く,所属チームを統合度の高いチームモデルとして認識していたことなどが挙げられる.
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