研究課題/領域番号 |
17K04292
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研究機関 | 熊本大学 |
研究代表者 |
矢原 隆行 熊本大学, 大学院人文社会科学研究部(法), 教授 (60333267)
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研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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キーワード | リフレクティング / 多職種協働 / アクションリサーチ / 臨床社会学 / リフレクティング・トーク / リフレクティング・プロセス |
研究実績の概要 |
本研究は、地域における包括的ケアの実現に向け、ますますその必要性が高まる多職種協働を有効に促進するための画期的方法として「リフレクティング」を用いたプログラムの実践研究をおこなうことを目的とする。具体的には、ノルウェーの臨床家トム・アンデルセンによって提唱されて以来、世界各地で広く活用されているリフレクティング・プロセスについて、福祉・医療の現場をフィールドに長期的な参加型アクションリサーチを実施することで、その効果と禁忌を臨床福祉社会学の視座から明らかにするとともに、多職種協働のためのリフレクティング・プログラムを構築する。 今年度は、参加型アクションリサーチを通したリフレクティングの有効性の検証をおこなうため、熊本県内の医療法人との研究協力のもと、(1)一部職員を対象としたリフレクティング研修(今年度初めより開始し、同メンバーで来年度末まで継続)、(2)全職員を対象とした職種間・部署間の連携実態調査、(3)全職員を対象とした個人と組織のウェルビーイングに関する継続的調査をおこなった。(2)(3)の結果については、当該プログラムの有効性を現場の職員から成る研究チームとともに検証、現場へのフィードバックを協働しておこなう等、参加型アクションリサーチの意義と効果に留意しつつ、研究を遂行している。 多職種協働のためのリフレクティングの理論研究も継続しており、その成果の一部は、国内の学会や専門誌において報告している。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
初年度、研究代表者の本務校の異動があり、新たなフィールドのと調整に時間を要したが、多職種協働の促進を目指す地域の医療法人との研究協力関係を築くことができ、継続的な参加型アクションリサーチを進める体制が確保できている。
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今後の研究の推進方策 |
今後も、本研究プロジェクトの中軸をなす福祉・医療現場における参加型アクションリサーチにおいて現場との協働をおこなう。そのため、多様な専門職からなる研究会を組織し、調査を継続しつつ、研究・教育・実践のサイクルを進めていく。
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次年度使用額が生じた理由 |
初年度、研究代表者の本務校の異動があり、それに伴い参加型アクションリサーチを実施するためのフィールドとの調整に努力を要したが、結果的に、異動先地域の医療法人の研究協力を新たに得られることとなった。これによって研究計画の基本は変わらないものの、今年度予定していた調査のための国内旅費を抑えることができた。 次年度については、最終年度となるため、研究成果の発信をさらに効果的におこなうための旅費、リフレクティング・プログラムの資料作成費のために使用する。
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