1.特別支援学校におけるスクールソーシャルワーカー(以下、SSW)の役割機能モデルの実証検証 福岡県内で特別支援学校からの支援依頼を受けているSSWの協力を得て、「特別支援学校におけるSSWの役割機能モデル(実証検証案)」を活用した実践を実施してもらった。 役割機能モデルは、特別支援教育コーディネーター、(以下、SENCo)が教育的支援(学校内での特別支援教育に関する業務及び保護者への教育相談等)を担い、SSWが福祉的支援(家庭訪問支援及び学校・家庭・関係機関・地域の連携役)を担うことを位置づけた。実践の検証では、家庭環境上の課題から教育保障が妨げられている3名の生徒を対象に、その支援にあたってSENCoとSSWが役割分化にて機能し、「チーム学校」として協働して取り組んでいった。その結果、3名の生徒の抱える家庭環境上の課題が改善され、生徒の教育保障が可能となった。この実践検証成果より、本研究で提案した役割機能モデルの有効性が見出されたといえる。 2.研究成果報告書の発刊 本研究成果として、アメリカでの特別支援教育におけるSSWの役割機能、わが国での特別支援学校のSENCoへの全国調査結果、特別支援学校のSENCoとして経験豊富な10名のSENCoへの質的調査結果、カナダ・トロント、韓国、台湾での訪問調査結果、特別支援学校でのSSWの役割機能モデルとその実証検証結果等をまとめた「研究成果報告書」を発刊した。この報告書は、研究成果の還元と特別支援学校へのSSW導入推進に向けた社会的貢献を担うことを目的に、全国の特別支援学校のSENCo及び特別支援学校への支援を行っているSSW、関係機関等に発送した。
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