研究課題/領域番号 |
17K04297
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研究機関 | 静岡県立大学短期大学部 |
研究代表者 |
加藤 恵美 静岡県立大学短期大学部, 短期大学部, 助教 (50381314)
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研究分担者 |
井上 孝代 明治学院大学, 国際平和研究所, 名誉教授 (30242225)
伊藤 武彦 和光大学, 現代人間学部, 教授 (60176344)
松平 千佳 静岡県立大学短期大学部, 短期大学部, 准教授 (70310901)
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研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2022-03-31
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キーワード | あいまいな喪失 / 離婚 / 保育所 / 保育士 / トラウマケア / レジリエンス / テキストマイニング |
研究実績の概要 |
当初計画では、保育士を対象とした喪失体験児のトラウマ体験へのレジリエンスを高める支援法開発の継続・プログラム化と試行・全体のまとめを行う予定であったが、新型コロナウイルスの影響により、2020年度は、これまで行った保育士対象の質問紙調査結果における喪失体験児の保育上の困難と支援の意識に関する自由記述内容についての分析に重点を置き、支援法開発の精緻化を検討することとした。 2020年度の実績としては、(1)支援法開発に向けた予備調査として2019年に実施した保育士で構成される静岡市保育問題研究会での「保育における子どもの喪失体験(あいまいな喪失含む)への支援の現状と課題」と題した事例検討会とその成果発表(2019年度第42回静岡県保育問題研究協議会研究学習会(静岡)口頭発表)を、「保育所保育士の“喪失体験児保育”に関する意識:ある保育研究会における事例検討を通して」と題して論文にまとめた。「マクロカウンセリング研究」第13巻(2-20)に掲載された。 また、(2)同じく支援法開発に向けた調査として実施した、静岡県内社会福祉法人保育所保育士を対象とした、喪失体験児保育の現状と意識に関する質問紙調査の多変量解析による量的分析結果を精査し、「親の離婚を体験した子どもの支援に関する保育士の意識調査:現職・保育学生を対象とする“あいまいな喪失”体験児への支援教育プログラム構築に向けて」と題して論文にまとめた。その実践的意義と理論的意義が明らかとなり、支援法開発の基盤となる成果を得ることができた。(3)保育士対象のアクティブラーニング型研修は、新型コロナウイルス感染防止のため延期とした。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
当初計画では、保育士を対象とした喪失体験児のトラウマ体験へのレジリエンスを高める支援法開発の継続・プログラム化と試行・全体のまとめを行う予定であったが、新型コロナウイルスの影響により、2020年度は、これまで行った保育士対象の質問紙調査結果における喪失体験児保育上の困難と支援の意識に関する自由記述内容についての分析に重点を置き、支援法開発の精緻化を検討することとした。 支援法開発に向けた予備調査として実施した、保育士で構成される静岡市保育問題研究会での「保育における子どもの喪失体験(あいまいな喪失含む)への支援の現状と課題」と題した事例検討会とその成果発表(2019年度第42回静岡県保育問題研究協議会研究学習会(静岡)口頭発表)と、静岡県内社会福祉法人保育所保育士を対象とした、喪失体験児保育の現状と意識に関する質問紙調査の多変量解析による量的分析結果を精査して論文にまとめ、支援法開発の基盤となる成果となった。同質問紙調査のテキストマイニング分析および質的分析を進めているところである。 保育士対象のアクティブラーニング型研修は、新型コロナウイルス感染防止のため、引き続き延期とした。 したがって、当初計画の多少の変更はあったが、研究目的に沿って概ね順調に進めている。
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今後の研究の推進方策 |
新型コロナウイルスの影響で保育士対象のアクティブラーニング型研修の試行が困難となっている。2019年度に予定していた同研修は、2020年度も延期となった。長期的な計画をもって研修会の試行を進めていく必要がある。オンラインでの研修会の実施も視野に入れて検討を進めていく。 2021年度は、これまで行った保育士対象の質問紙調査結果における喪失体験児保育上の困難と支援の意識に関する自由記述内容についてのテキストマイニング分析およびテキストマイニング以外の手法を用いた質的分析に重点を置き、支援法開発の精緻化を検討する。
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次年度使用額が生じた理由 |
新型コロナウイルス感染症の問題で、年度内物品費、旅費、人件費・謝金、その他の経費を来年度に繰り越すため。
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