今年度は最終年度とし、2021年度までに集積したデータを統合し、若年性認知症者の就労を支えるプログラムを作成、評価、課題を提案した。具体的には次のとおりである。 1)2021年度までに実施した若年性認知症者と家族へのインタビュー調査、専門家へのヒヤリング、若年性認知症者と関連する専門職や企業等への調査の結果や集積したデータを統合し、評価、課題を見出すために、繰り返し会議を開催した。さらに、若年性認知症者に関わる専門家との意見交換を行い、整理し、概念図やプログラムを作成した。 2)1)の課題をもとに、「若年性認知症のある人の就労継続を支える医療保健福祉・地域支援機関との連携のイメージ」「若年性認知症者の就労継続における連携案」「当事者・家族と事業主の就労継続における連携案」「若年性認知症発症プロセスと関係職種の就労継続にむけた連携案」の概念図およびプログラムを完成させた。 3)総合評価として、アドバイザーからサポートを受けると共に、国内外の学会発表を行い、他者意見も取り入れ、課題をさらに明確にした。 4)今後に向けての提言では、若年性認知症者への就労に関する早期介入できる場として、診断をした医療機関を活用すること(必要な各種情報を確実に入手できるような場づくり)、さらに産業医も重要なポジションであることから役割の明確化を行う。また、本人の希望を踏まえた就労継続について主治医を中心とした関係者(若年性認知症支援コーディネーターや事業主、産業医・産業保健師等)が連携し、サポートの強化を行うことである。
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