プライムが環境情報の手がかりとして機能する行動プライミング研究を再検討した.異性愛プライムが認知や行動に及ぼす影響,外見に注目させるプライムが性役割的偏見とジェンダー関連自己ステレオタイプ化に及ぼす影響,環境の危険性を示唆するプライムが攻撃行動に及ぼす影響を,複数の実験をおこない検討した.一連の研究から,行動プライミング現象が存在することだけでなく,ある種の行動プライミング現象は,プライムが環境に関する情報の手がかりとして機能し,各個人にとって適切な行動の準備状態を形成し、行動が起こりやすくなることで説明できると主張するアフォーダンスモデルが有効であることも示された.
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