本年度研究の日本人、中国人、タイ人のいずれも、目上には敬語を使う。以下では地位や性の影響での日本との差を示す。 ECP2019:中国人女性で、<日本人>は、同輩に普通語、目下に簡潔か指示。サービス業では地位に関係なく相手に丁寧。<中国人>は、目上にも自己主張。目下に簡潔。見知らぬ人には敬語や尊敬語を。重要なことは最初に言い、本音で目を見て話す。AASP2019:中国人男性の<日本人との違和感>は、日本では男女で言葉が違うこと。女性は男性に丁寧。敬語は地位や状況で多様。ビジネスでは相手の地位、性に関係なく丁寧。APA2019:中国人男性では、<日本人>は、同輩、目下には普通語。女性に丁寧。女性は男性のいる所では女言葉を使い、静かに話す。女言葉は丁寧でソフトだが、男は滅多に使わない。女性は男言葉を時々使う。同格や目下とは社会距離を保つ形式的表現が多い。<中国人>は、年齢や故郷が近いとか関係が良いと目上も普通語を使う。男性はダイレクトに話す。女性同士は身体動作を使う。男女で言葉の違いは多くない。 中国人男性APA2020では、<日本人>は、自己主張、目立つことをしない。トラブルを避ける。直接な言い回しを避ける。男性は女性に丁寧。女性は相手が間違っていても「そうですよね」としばしば答える。婉曲と思いやりが基調。原則に固執。<中国人>は、自己主張する。異見を受け入れ、原則抜きに調整。敬語使用は少ない。目を注視。傾聴と率直な対話が基調。タイ人女性のICP2020では、<日本人>は、女性に穏やかに話す。悪い言葉を使わない。「お願いする」の表現を頻繁に使う。何度も挨拶。自分の意見を直接表現せず、形式的で穏やかな表現を大量に使い、寡黙で遠回し。<タイ人>は、男性は女性を尊重し、助ける。汚い言葉を普通に使い、友達に滅多に挨拶せず、「おねがいします」を滅多に言わない。見知らぬ人でも自由に話す。
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