研究実績の概要 |
本申請課題は当初の目的として情報の価値とその行動への影響を検討課題として,本年度に至る3年間の間に多くの研究成果を公表してきた(中村,2018, 心理学 評論; Nakamura, 2018, J, of Cog. Psy;Nakamura ,2019, CogSci; 中村,2019,心理学会;中村, 2019,認知科学会,行動経済学会;Nakamura, 2019, Psychonomic Society) また,確率という情報の価値や金額との関係をより現実場面に即した状況で検討するため,宝くじという現実にある賭けを題材として,その当たり金額と当選確率との間の関係を人間がどのように認知しているかを検討し,自身のこれまでの研究成果と整合する知見を得た(Nakamura, 2020, CogSci). 以上の成果を踏まえ,昨年度は与えられた選択肢の数という情報が意思決定にどのような影響を与えるかという新たな側面に注目し,実証的な検討を行った(Nakamura, 2020, Psychonomic society; 中村,2020,行動経済学会).その結果,これまで知られてきたデフォルト選択肢が好まれがちという現象(Johnson & Goldstein, 2003)は,デフォルト以外の選択肢の数に依存するという知見を得た.
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