行政(刑務所)と地域の連携を「可視化した社会システム」という概念から捉えなおし、社会的包摂促進プロセスを個人の心理的側面から検討する枠組みを提出した点に学術的意義を有している。また、社会心理学における接触仮説の大規模な社会的応用事例としてPFI刑務所の開設を位置づけ、効果的な態度変容につながる媒介要因を明らかにした点においても学術的意義があると考える。加えて本研究は、刑事政策におけるPFI刑務所の効を検討する「アクション・リサーチ」としての社会的意義も持つ。本研究は刑務所出所者に対する社会的スティグマを低減させ、社会的包摂を進めるための政策において理論的背景を提出するものである。
|