研究課題/領域番号 |
17K04331
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研究機関 | 立命館大学 |
研究代表者 |
藤本 学 立命館大学, 教育開発推進機構, 准教授 (00461468)
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研究分担者 |
古賀 弥生 九州産業大学, 地域共創学部, 教授 (00585101)
具志堅 伸隆 東亜大学, 人間科学部, 教授 (10449910)
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研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2021-03-31
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キーワード | ホームレス / 就労自立支援 / スキルトレーニング / コミュニケーションスキル / 職場適応 / PBL / 応用演劇 |
研究実績の概要 |
本研究は、応用演劇のひとつであるフォーラムシアターの技法を利用し、職場で生じうる対人的な問題場面においてどのように行動するのが適応的であるかを、ホームレスの方々に正しく認知していただくことを目的としている。そこではPBL方式、すなわち参加者自らが問題を特定し、それに対してどのように対処するのかについて、みんなで話し合うことで問題解決を図るという方式を取っている。 従来のコミュニケーションスキルトレーニングは、自然と体が動くという運動モデル(モータースキル)をベースにしたプログラムが多いのに対し、問題状況の認識と適切な行動の選択という認知面を重視したプログラムの開発を目指しているところが本研究の新奇性である。 2017年度において、トレーニングに参加したホームレスの方々が職場で起こりうる対人的な問題への最善の対処法を話し合う中で気づきを得るというトレーニングプログラムのフレームワークを確立し、その効果性の検証を行った。 2018年度は、シナリオの内容から特定のスキルの向上が見られないという問題点を解消するために、提示する問題シーンのシナリオの改定を行った。そして、数回にわたり新プログラムを用いたトレーニングを実施し、その効果性について検証を行った。 さらに、年度後半では演劇集団に依頼するため高コスト化している本トレーニングを一般にも広く利用してもらうため、問題シーンと解決シーンの映像資料化に向けた取り組みを開始した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
職を失ったホームレスの就労自立支援センターのご協力を引き続き得ながら、当初の予定通りに本研究独自のスキルトレーニングを実施することができている。 また、映像資料化に向けた取り組みも開始し、台本の第一稿の完成と修正依頼を行い、撮影についてもコーディネーターを中心に準備が進んでいる。
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今後の研究の推進方策 |
2019年度は台本の確定、会場や撮影・編集者の手配、役者の稽古を整えた後、撮影に入る。 後半では、作成された映像資料を用いたトレーニングを実施し、演劇集団が生で演じたトレーニングとの間に効果の差がみられるかについて検証を行う。
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次年度使用額が生じた理由 |
本研究が考案した独自のトレーニングを広く一般に活用してもらうための映像資料作成にかかる費用に回すため、次年度に繰り越した。
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