研究課題/領域番号 |
17K04335
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
社会心理学
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研究機関 | 広島修道大学 |
研究代表者 |
中西 大輔 広島修道大学, 健康科学部, 教授 (30368766)
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研究分担者 |
横田 晋大 広島修道大学, 健康科学部, 教授 (80553031)
井川 純一 大分大学, 経済学部, 准教授 (90748401)
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研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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キーワード | 社会的ジレンマ / 集団間葛藤 / 文化的群淘汰 / 社会的影響 / 多層淘汰理論 |
研究成果の概要 |
文化的群淘汰理論では多数派同調傾向が社会的ジレンマ状況で協力率を上昇させると主張されており、その理論は申請者らによるシミュレーションでも支持されている (横田・中西, 2012)。しかし、その後に行われたシミュレーションでは、集団間葛藤状況では多数派同調だけではなく、少数派同調にも適応基盤があり、それが協力率の全体的低下を招くことが示された (中西・横田, 2015)。社会的影響の多様性を踏まえると、理論の適用範囲が限定されてしまうことを意味する。以上の知見を踏まえ、本研究では集団間葛藤状況における多様な社会的影響に関するモデルの生態学的妥当性を検討した。
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自由記述の分野 |
社会心理学
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究では、他者の行動が見られる条件でのみ内集団への協力率が高くなるという結果が得られた。これは文化的群淘汰理論を支持するものであった。さらに、協力率と実験参加報酬との相関は 統制群 (1グループの社会的ジレンマ状況) でのみ負の相関関係が得られており、集団間葛藤の存在する他の条件では協力率が高いほど報酬額が少なくなるわけではないことが明らかになった。これは集団間葛藤の操作が十分に行われていたことを示すデータである。このように、自グループの他者の行動が見られることは自集団への貢献を増すが、それが結果的に集団間の葛藤を強めてしまうことには注意が必要であるという示唆が得られた。
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