乳幼児の爪切りの縦断研究を中心に、養育者が子どもの爪を切る動機として、乳児自身が自分の身体を傷つけてしまうことにくわえて、養育者自身が傷つけられてしまう親子の事情が絡み合っていること、また手という対象関係は手を握られ動かそうとすることにより生じることなどから他者が関わっている可能性、そして痛みの形成において「イタイ」という言語使用における言語と感覚との関係、それから爪切りを生後10か月ごろ嫌がるようになり、2歳前後であらためて爪切りを拒否するようになり、この後拒否は徐々に収束していく過程の心理発達について提示した。
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