研究実績の概要 |
2021年9月にイギリス心理学会発達部門The British Psychological Society,Developmental Psychology Section Annual Conferenceにおいて,Personality traits associated with pathological features among contemporary Japanese Adolescents.と題する研究発表を行った。パーソナリティ特性によるクラスタ分析により (1)外向性が低く,神経症傾向が高い群,(2)神経症傾向が低く調和性agreeablenessが高い群,(3)外向性が高く調和性が低い群が見いだされた。第1クラスタはふれあい恐怖的心性が他のクラスタより高かった。一方,第3クラスタは軽躁的関係が3群中最も高かった。第2クラスタは公的自己意識とランチメイト症候群傾向が低かった。このことから,軽躁的な青年は外在的な病理の特徴を示し,ふれあい恐怖的な青年は内在的な病理の特徴を示すことが示唆された。一方,適応的な青年は他者からどう見られているかを気にしないことが示された。 また,2021年9月の日本パーソナリティ心理学会第30回自主シンポジウム(「鉄道オタクへの偏見と現実」)および2021年12月の日本認定心理士会講演会(「鉄道オタクの心理学 日本の若者とサブカルチャー」)において,2020年度の研究に基づいて,特定の趣味に没頭する「オタク」と呼ばれる青年における対人関係と自己のあり方の特徴に関する講演を行った。 その他,新型コロナウイルス感染症流行の前後での友人関係や適応との関係に変化が見られたかを検証するために,2017年度と同様の項目を中心とした調査を行った。
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