研究課題/領域番号 |
17K04346
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研究機関 | 山梨大学 |
研究代表者 |
東海林 麗香 山梨大学, 大学院総合研究部, 准教授 (90550749)
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研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2022-03-31
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キーワード | ナラティヴ / 教師の専門性発達 / 学校行事 / 教師の異動 |
研究実績の概要 |
本研究は,「教育実践の変容可能性」について検討しようとするものである。特に,「児童生徒の多様な教育ニーズに応じた教育実践」という現代的課題に対応するために,どのような個人的・組織的変化が必要か,また,何がそれを促進したり制限したりするのかについて検討する。日常を異化するような経験によって,ナラティヴや文化の存在,葛藤,変容は可視化されやすい。そのような機会として本研究では,学校行事を切り口として検討を進め,そこから新たに「教員の異動」という切り口を得たことから,この2つに焦点化して検討を進めてきた。 2020年度は最終年度として,これまでの研究参加者に論文等の研究成果について報告し,それへの評価を含めた振り返りインタビューを行う予定であった。これは本来,2019年度に成果報告会とあわせて行う予定だったものである。しかしながら感染症の影響があり,1件しか対面でのインタビューを行うことはできなかった。しかしながら2021年2月末に申請者が主催した教員の学習会において,小~高の教員より,コロナ禍の学校行事の状況,実施上の課題に関する対応について聞き取ることができた。また,3月末に行った同様の学習会でも学校行事における課題について聞き取ることができた。これらの会は録音不可であったため記録を取った。 特に学校行事に関しては,コロナ禍で中止・縮小となったことでその意味や意義について改めて考えたということ,短縮によって準備期間も短くなったことで意欲を醸成するのが難しく,長い準備期間ありきで進めてきたと感じたことなど,未曾有の事態に対応する中で教育についての捉え直しが起こったり,実践を変化させたことが語られた。また,子どもの多様性だけでなく保護者・家庭の多様性への対応が求められたケースも多く語られた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
研究成果について報告し,それへの評価を含めた振り返りインタビューを対面で行う予定であったが,新型コロナの影響で1件しか実施できなかった。対面で行うこととしたのは,オンラインでのインタビューの場合は,研究参加者が自宅から参加することになりデバイス等の所持状況に差かあること,参加者の多くはオンラインでの会議や授業を経験しておらずオンラインでのやり取りに不慣れである可能性が高いことなどから,インタビューの状況に語りが左右される可能性が大きいと予想されたためである。 成果発表については,論文(単独)1本,論文(研究者との共同)1本であった。
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今後の研究の推進方策 |
振り返りインタビューを行う。2020年度の1年間で,参加者のオンラインでのやり取り経験も増えてきたと思われるため,対面が難しい場合はオンラインで行う。いずれも難しい場合は,メールでのやりとりで代替とする。
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次年度使用額が生じた理由 |
本来の最終年度に計画していた成果報告会を開催するのは難しいことから,2020年度は個別に振り返りインタビューを行うことを計画したが,それも難しく1件しか実施できなかった。2021年度はオンラインやメールの使用を対面の代替として用いてインタビューを行う計画である。
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