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2017 年度 実施状況報告書

動作模倣に影響を及ぼす目標の抽出機序の解明

研究課題

研究課題/領域番号 17K04348
研究機関信州大学

研究代表者

水口 崇  信州大学, 学術研究院教育学系, 准教授 (60412946)

研究期間 (年度) 2017-04-01 – 2021-03-31
キーワードPerspective / Type of Action / Reaction Time
研究実績の概要

【目的】動作画像の模倣における視覚的処理について実験を行った。Catmur and Heyes(2017)は,提示する動作画像のタイプにより実行までのReaction Timeが異なることを報告した。行為の意図が明瞭な動作画像は,その模倣を実行するまでのReaction Timeが短く,意図が不明瞭な画像は潜時が長くなるのである。しかしながら,使用された画像は双方ともに意図が不明瞭であることが推測された。そこで行為の意図の有無がより明瞭な画像を用いると同時に,画像の行為を捉える視点の違いの影響を明らかにすることとした。
【方法】対象:検査によって右利きが確認された大学生20名である。材料:木材を加工して,自立する天秤のような土台を作った。天秤棒のような箇所の左右に黒色のビニールテープを引っ掛けるように差し入れた。これを参加者の眼前に置いた。この天秤状の材料を基にして,画像の作成と加工を行った。Meaningについて、行為の意図が明瞭なmeaningfulと不明瞭なmeaninglessである。Perspectiveは、自らの視点と画像の視点が一致していないother,双方の視点が一致しているself,どの方向の視点とも関連しないsymbolである。参加者の手元にボタンスイッチ,その奥に天秤状の材料を配置した。実験開始前,ボタンスイッチの上に手を置かせた。まず,Starting pictureを500ms提示した。次に,1500msのブランクを設定した。ブランクの間,ディスプレイ画面は黒となる。条件別の画像が1000ms提示されてから,それを手掛かりに操作を実行させた
【結果と考察】参加者内配置の分散分析を行った。Meaningの主効果は,F(1,18)= 0.2056, p = 0.6556, η2 = 0.0113であった。Perspectiveの主効果は,F(2,36)= 2.2607, p = 0.1189, η2 = 0.0116であった。Catmur and Heyes(2017)の結果と異なり,Meaningの影響はみられなかった。一方,本研究が新たに検討したPerspectiveの影響もみられなかった。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

実施した実験自体は、明確な結果を得ることができなかった。しかしながら、実験用の材料や機材、タスクを設定して概ね手法を確立することができた。今後はタスク等の改良を進めながら、実験を重ねていくことによって一定の知見を得ることができるよう進んでいる。

今後の研究の推進方策

上述したように、実験の方法論は確定した。試行錯誤を繰り返しながら、慎重かつ着実に実験を重ねていく。

次年度使用額が生じた理由

情報収集として、Association for Psychological Science(米国ボストン開催)に参加する予定であったが、それが困難になったため、 国外旅費の費用を使用しなかったことが主な理由である。

  • 研究成果

    (5件)

すべて 2017

すべて 雑誌論文 (4件) (うち査読あり 1件、 オープンアクセス 4件) 学会発表 (1件)

  • [雑誌論文] Imitation learning errors are affected by visual cues in both response performance and visual observation phases2017

    • 著者名/発表者名
      Takashi Mizuguchi, Ryoko Sugimura, Hideaki Shimada, Takehiro Hasegawa
    • 雑誌名

      Perceptual and Motor Skills

      巻: 124 ページ: 846-863

    • DOI

      DOI: 10.1177/0031512517705533

    • 査読あり / オープンアクセス
  • [雑誌論文] 把持行為の観察による視覚注意の調整-視点と手がかりの抽象度がもたらす影響-2017

    • 著者名/発表者名
      山田 萌・水口 崇
    • 雑誌名

      信州心理臨床紀要

      巻: 16 ページ: 115-128

    • オープンアクセス
  • [雑誌論文] 幼児期の反事実的推論における領域の発達2017

    • 著者名/発表者名
      柳澤寿子・水口 崇
    • 雑誌名

      信州心理臨床紀要

      巻: 16 ページ: 97-114

    • オープンアクセス
  • [雑誌論文] 犯罪に対する帰属と量刑判断-罪種と犯人の年齢による違い-2017

    • 著者名/発表者名
      柳澤緩奈・水口 崇
    • 雑誌名

      信州心理臨床紀要

      巻: 16 ページ: 85-95

    • オープンアクセス
  • [学会発表] 動作画像の模倣における視覚的処理-Reaction Time を指標とした運動プログラムのActivate 速度の検証-2017

    • 著者名/発表者名
      水口崇
    • 学会等名
      日本心理学会第81回大会

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公開日: 2018-12-17  

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