空想上の存在との出会い体験が幼児期の発達において持つ意味を検討した。主な結果は以下の通りである。1.それらの体験を含む遊びや行事は,日本国内で広く盛んに行われている。2.そうした文化的実践への参加は,子どもの好奇心や探究心を刺激し,認識的,感情的,社会的発達を促す。3.保育者は子どものアイデアの創出や仲間との共有・協働,苦手意識や恐怖の克服を支え促す役割を果たす。4.子どもは3歳頃まで,空想上の存在概念が不明確なため,出会った実物を本物と見なしやすい。しかし,4,5歳頃になると次第にその概念は明確になり,懐疑的になるとともに,その驚異的で神秘的な空想上の存在概念を楽しむことができるようになる。
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