研究課題/領域番号 |
17K04359
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研究機関 | 大分大学 |
研究代表者 |
森下 覚 大分大学, 教育学部, 准教授 (60595320)
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研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2025-03-31
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キーワード | 学校インターンシップ / 共創的越境 / 教師教育 |
研究実績の概要 |
現在,団塊世代の教職員の大量退職に伴い,教員志望の学生に対して,教員として必要な資質能力を確実に身につけさせることが喫緊の課題として存在しており,その課題を解消する取り組みとして学校現場における体験活動「学校インターンシップ」の充実が求められている。本研究は,共創的越境(異なる立場・視点を持つ人達が,互いの異質性を尊重し,積極的に相互交流を行う交流のあり方)を可能にする学校インターンシップの実施体制モデルの構築を目的としている。本研究は3つに分かれている。研究1は,全国の教員養成大学・学部の学校インターンシップの実施体制と課題の調査研究である。研究2は,共創的越境を可 能にする学校インターンシップの実施体制モデルの構築に関する研究である。研究3は,共創的越境を可能にする学校インターンシップの実施体制モデルの効果検証である。 令和5年度は,A大学とA市教育委員会の協力のもと,共創的越境を可能にする学校インターンシップの実施体制モデルの効果検証(互恵性の綻びが顕在する事例検証)をおこなった。その結果,共創的越境は学校インターンシップの理想的な交流のあり方である一方で,包摂的越境や無相関的越境と比べて相手の立場や視点を尊重するために自分を柔軟に変えていく必要があり,その変容に対して少なからず抵抗感がある事例が存在することがわかった。また,学校インターンシップを組織する大学・教育委員会・活動校教員・参加学生の間には・強めの権威勾配(力関係)が生じやすく,その場合,共創的越境で表されるような交流は起こりづらく,互恵性が綻びやすくなることが示唆された。学校インターンシップの性質上,特に参加学生は相対的に弱い立場に置かれることが多く,大学や教育委員会の担当者の方が権威勾配の存在を認識した上で,活動校教員や参加学生に対して適宜支援をおこなっていく必要性があることが分かった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
コロナ禍で停滞していた学校インターンシップの参与観察・文書研究・インタビューが,A市教育委員会の協力の下,実施できるようになったため。
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今後の研究の推進方策 |
今後は,参与観察・文書研究・インタビューなどの継続的な調査で得られたデータをまとめ,共創的越境を可能にする学校インターンシップのあり方をまとめる。
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次年度使用額が生じた理由 |
当初予定されていた調査が,新型コロナウィルス感染症の感染拡大に伴い実施できず,それに伴い,得られた成果をまとめるための人件費,発表するための旅費,成果報告書をまとめるための経費を使用できなかったため。未使用額は次年度に繰り越し,調査に必要な経費,得られた成果をまとめるための人件費,学会発表に必要な旅費などに使用する予定である。
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