研究実績の概要 |
【研究4-3】実践指導:スッテプ-Ⅳ、Ⅴに相当する発達障害児に対し実験的支援を行い協同活動に関するパッケージ・プログラムの妥当性を検討した。 1)5歳のダウン症児に対して、カフェ遊びにおいて、「カルピス」づくり場面での選択欲求質問をとおした「心の理解」の発達支援を行った。前期には支援目標が音声言語での選択欲求質問になりがちで、相手の意図を尋ねる意識が乏しかったとの振り返りから、後期では、相手に向かってメニューを差し出すことを目標とした。その結果、自発的に相手にメニューを差し出し、徐々に音声言語でも尋ねられるようになってきた(天野・兵藤・吉井・長崎,2019)。 2)小学部1年生の自閉症児を対象に、カフェごっこにおいて、他者の好みを尋ねる欲求選択質問の支援を行ったところ、希釈飲料の味の種類や濃淡、ストローの色などを尋ねられるようになった。自閉症児においてもスクリプトを設定し、支援を行うことによって、他者の関心に合わせたコミュニケーションが可能になることが示された(吉村・青木・井口・吉井・長崎,2019) 【海外学会での発表】ロシアのモスクワで開催された第16回ヨーロッパ心理学会のポスター発表において、希釈飲料づくりを用いたコミュニケーション発達支援プログラムとその成果を報告した(Nagasaki, Yoshii, Hyodo,& Amano,2019)。 【図書・DVD刊行】福村出版より「食育を通したコミュニケーション発達支援-「カルピス」づくりによる支援プログラム-」長崎 勤・田島信元・吉井勘人(編著)(2020)を印刷中である。希釈飲料づくりによるコミュニケーション発達支援も含めた「発達の障害と特別支援教育」についてのDVD教材を刊行した(長崎(総監修)・吉井・若井(監修),2019)。
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