親子関係の発達は,発達心理学の分野において主要なテーマの一つだが,従来は,親子がどう関わりあうか,その相互作用の様態に着目したものが多かった。これに対し,本研究では,親と子がどのように離れ,またどのタイミングで合流するか,「離れる―合流する」の繰り返しと変化の解明を通して,親子関係の発達を捉えなおそうと考えた。成果として,外出先で親子が一時的に離れることが最も初期からみられ,そののち子どもが親の同伴なしに外出する,最後に,子どもを家に置いて親が外出する,が見られることが分かった。以上の成果は,子どもの自立のプロセスモデルを提示したという意味で,社会的にも意義のある研究成果をもたらしたと考える。
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