研究課題/領域番号 |
17K04385
|
研究機関 | 立命館大学 |
研究代表者 |
矢藤 優子 立命館大学, 総合心理学部, 教授 (20352784)
|
研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2020-03-31
|
キーワード | コルチゾール / オキシトシン / 生理指標 / 親子関係 / 縦断研究 |
研究実績の概要 |
本研究は,母親と子どもの社会的関係性を胎児期から幼児期にかけて縦断的に調査し,養育者の子育てと子どもの育ち,またそれらに影響を与える物理的・社会的環境要因を検討することを目的として実施した。本研究は行動観察や行動計測,質問紙,生理指標など心理学・医学領域が連携した胎児期からの定量的縦断データによる発達研究として学術的意義が大きいばかりでなく,科学的根拠に基づく子育て支援のあり方を提案するものとして社会的意義も有するものである。2018年度まで実施した具体的な調査内容は次の通りである。①質問紙調査は,妊娠14週目,25週目,32週目,生後1ヶ月,生後3ヶ月,生後6ヶ月,生後9ヶ月,1歳時にwebを介して実施した。②面接調査は,妊娠25週目前後に,妊娠期女性のキャリアと生活に関する内容で26名からの調査協力を得た。③唾液調査(コルチゾール・オキシトシン濃度)は,妊娠25週から32週の産前の調査は17名,産後1ヶ月の調査は16名,産後6ヶ月の調査は12名が終了しており,9ヶ月以降の調査の準備も進めている。④生後の母子に対する行動観察は,子どもの社会性発達とそれに関連する課題を実施した。具体的には,かかわり指標(Interaction Rating Scale)を用いた母子相互作用場面観察,音声模倣課題,表情刺激課題,子どもの気質に関する調査,General Movements(GM)の記録を行った。現時点で,1ヶ月児17組,3ヶ月児12組,6ヶ月児12組,9ヶ月児5組の親子行動観察を実施した。1ヶ月時点では各協力者の自宅に訪問したが,3ヶ月以降はいばらきキャンパスの実験室に招いて各時点における同様の課題および各発達時期の特徴を反映する課題を実施し,乳幼児の発達的変化を観察した。これらの成果は,シンポジウム,学会等で発表された。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
妊婦のリクルートに係るシステム構築に時間を要したため、当初計画よりも若干遅れは見られるが、現在では茨木市子ども健康センターとの連携体制も整ったため順調に参加者数を増やしておりドロップアウトも少ないため、おおむね順調であると判断した。
|
今後の研究の推進方策 |
今年度9月まで参加者リクルートを継続し、参加者数を増やすとともにドロップアウトを抑えるための工夫を行なう。具体的には、子育てフォーラム等の開催(5月)とその案内、研究者と参加者の茶話会の実施などにより、本研究プロジェクトに対する参加意識を高めてもらう努力をする。
|
次年度使用額が生じた理由 |
研究協力者募集の進捗が若干遅れたため次年度使用額が生じた。 次年度使用額は研究対象者への謝金の支払い,検査試料購入,検査費用に執行する。
|