• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

2020 年度 実施状況報告書

神経発達障害にともなう視覚情報処理困難の支援に向けた神経心理学的検討

研究課題

研究課題/領域番号 17K04387
研究機関関西大学

研究代表者

加戸 陽子  関西大学, 文学部, 教授 (10434820)

研究分担者 眞田 敏  広島文化学園大学, 学芸学部, 教授 (60098126)
荻野 竜也  中国学園大学, 公私立大学の部局等, 教授 (90335597) [辞退]
研究期間 (年度) 2017-04-01 – 2022-03-31
キーワード神経発達症 / 書字のつまずき / 視覚情報処理 / Rey複雑図形検査 / 神経心理学的検査
研究実績の概要

本研究では神経発達症をともなう子どもの書字のつまずきに対し、神経心理学的検査を中心とした各種心理アセスメントによる認知特性の検討を行い、教育的支援の一助となることを目的とする。
本年度は国内外のオンライン開催の学会において次の2点について報告を行った。①書字のつまずきのある子どもの保護者を対象に、学童期用視覚関連症状チェックリスト(VSPCL)への記入を求め、子どものRey複雑図形検査成績との関連を検討した結果、Rey複雑図形検査成績に偏倚を認めた群では保護者による子どもの書字のつまずきに対する指摘が高かった。②6-15歳の書字につまずきを抱える子どもを対象にRey複雑図形検査を実施し、4年齢群(6-7y, 8-9y, 10-11y, 12-15y)に分けて同年齢帯の定型発達群の指標成績の標準値と比較した結果、6-7y, 8-9yおよび10-11y群は図の構成力を要する指標で定型発達群との間に著しい差を認めた。また、定型発達群と書字につまずきのある群のそれぞれにおいて年齢群間比較を行った結果、両群において模写および記憶に基づく再生(即時・遅延)条件の図の描画量と正確性に関する指標で年齢による差を認めたものの、構成力に関しては書字につまずきのある群において年齢による差を認めなかった。このことから書字につまずきのある群では構成力に不十分な面があり、かつ定型発達とは異なる方略を用いた描画を行っており、このことが書字のつまずきの特徴を反映している可能性が考えられた。
なお、本年度のデータ収集はCOVID-19の感染拡大状況下にあったため、極めて限られた時期での実施に留まった。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

4: 遅れている

理由

COVID-19の感染拡大状況下での県をまたぐ移動および個室での検査実施は望ましくないと判断し、中止しているため。

今後の研究の推進方策

感染流行状況に留意しつつ、研究協力機関と相談の上、データ収集が可能と判断された場合には協力者に十分な説明と感染対策を行って再開したい。

次年度使用額が生じた理由

COVID-19感染拡大に伴い、データ収集を中止したため。今後データ収集が可能と判断される時期が来た際には、それに伴う諸費用として使用していきたい。

  • 研究成果

    (5件)

すべて 2020

すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 1件、 オープンアクセス 1件) 学会発表 (3件) (うち国際学会 1件)

  • [雑誌論文] Children with autism spectrum disorder comorbid with attention-deficit/hyperactivity disorder examined by the Wisconsin card sorting test: Analysis by age-related differences2020

    • 著者名/発表者名
      Kado Yoko、Sanada Satoshi、Oono Shigeru、Ogino Tatsuya、Nouno Shin
    • 雑誌名

      Brain and Development

      巻: 42 ページ: 113-120

    • DOI

      10.1016/j.braindev.2019.07.011

    • 査読あり
  • [雑誌論文] COVID-19感染拡大による休校措置の子どもたちへの影響―メディア記事・文献展望と神経発達症児の現状調査―2020

    • 著者名/発表者名
      眞田 敏、安田万里子、大野 繁、加戸陽子
    • 雑誌名

      子ども・子育て支援 研究センター年報

      巻: 10 ページ: 33-45

    • オープンアクセス
  • [学会発表] Visual cognitive function assessed using the Rey-Osterrieth Complex Figure test in children with difficulty in Japanese Kanji writing2020

    • 著者名/発表者名
      Yoko Kado, Satoshi Sanada, Shigeru Oono, Kosuke Nakano, Tatsuya Ogino, Shin Nouno, Mariko Yasuda, Yoko Ohtsuka
    • 学会等名
      International Neuropsychological Society (INS) :Virtual Event
    • 国際学会
  • [学会発表] 子どもの書きづらさに対する視覚認知機能と視覚関連症状の検討2020

    • 著者名/発表者名
      加戸陽子, 眞田 敏, 荻野竜也, 大野 繁, 中野広輔, 濃野 信
    • 学会等名
      第62回日本小児神経学会学術集会 web開催
  • [学会発表] COVID-19感染拡大による臨時休校の神経発達症をともなう児童への影響2020

    • 著者名/発表者名
      大野 繁、加戸陽子、眞田 敏
    • 学会等名
      日本発達障害学会第55回研究大会 web開催

URL: 

公開日: 2021-12-27  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi