母親へのweb調査の結果、「安心」による泣きを示す幼児では、泣きやすい傾向と泣きの抑制傾向の両方が見られたが、「成功・勝利」「感動」による泣きではいずれの傾向も見られなかった。「安心」による泣きは、泣きたくなる状況が生じ、その状況で泣かずに我慢する能力の発達に伴って生じるが、「成功・勝利」「感動」による泣きは異なる認知的要因によって媒介されている可能性が示唆される。ネガティブではない泣きを表出する幼児ではうれしい理由での泣きを理解している割合が高かったが、うれしい泣きを理解している幼児の半数以上は表出経験がなく、ネガティブではない泣きの表出経験は理解を促進するが必須ではないと考えられる。
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