研究課題
本研究の目的は、社交不安症、パニック症、広場恐怖総等の為に、外出が困難で、不登校・ひきこもり状態となっている青年に対して、従来の対面での面接ではなく、Skype等のテレビ電話での面接による遠隔認知行動療法(遠隔CBT)の安全性、実用可能性を確認後、有効性を検証することである。日本には、不登校が17.5万、人ひきこもり69.6万人いるとされており、大きな社会問題となっている。これまで不登校・ひきこもりに対して様々な施策がなされてきたにもかかわらず、その数は減少していない。不登校・ひきこもりの発生や維持には、不安の問題が大きくかかっているととらえることが出来る。全国の不登校・ひきこもりの当事者や家族、またその予備軍の青年にCBTを提供するために、遠隔CBTの実用可能性の検討と治療効果の検証を行い、これまでの医療にアクセスすることが出来なかった不登校・ひきこもりの早期改善が見込まれると予想される。当初計画していた通り①不安症臨床群への単群試験(医療分野)②高校生・大学生への応用試験(教育・保健分野)③ひきこもりに青年への応用試験(福祉分野)のチームに分かれて、それぞれのチームで研究を進めている。①では、安全性の確認、不安症患者への適用と効果検証を行い結果の取りまとめを行った。②では、高校生・大学生へのアンケート調査を実施してその結果の取りまとめを行っている。③では、ひきこもりの当該青年への応用試験の前に、ひきこもりの親を対象として、遠隔相談の有効性を問う研究を計画し、実行した。現在、データ解析をおこなっている。また、新たに親に対してのアプローチ方法を検討し、研究計画を立案し申請中である。
3: やや遅れている
それぞれ3つのチームに分かれて、研究を進めている。①医療分野に関して論文投稿し、学会発表を行った。②教育・保健分野に関して論文投稿準備中である。しかし③福祉分野に関して、ひきこもりの親に対しての実施した遠隔相談の結果を解析している。さらに親に対してのグループ相談の無作為割り付け試験を計画している。しかしながら、不登校・ひきこもりの当該青年への応用試験まで、たどりついていないため、進捗状況としては、やや遅れている。
①医療分野と②教育・保健分野に関して、上記のように概ね計画通りに進んでおり、問題ないと考えるが、③福祉分野に関して、研究期間を考慮して現在までの研究を一旦とりまとめ、今後につながるよう研究計画を見直し期間内での研究完了を目指していく。保護者に対して、対面又は遠隔相談を行っていたが、個別での相談から複数での相談に体制を変えて、まずは保護者側への変化を促して、本人へのアプローチにつなげていく予定である。
当初の計画よりも研究がやや遅れているため、次年度使用額が生じている。遅れている計画を見直し、積極的に論文投稿・学会発表をしていく予定である。使用計画として、相談対応・結果の集計の取りまとめのためにパソコンや記録保存用ビデオおよび必要な事務用品等の購入/成果発表・情報収集のため学術大会(海外・国内)への参加費・出張旅費/成果発表のための英文校閲料・印刷費用・投稿料を予定している。
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Journal of Medical Internet Research
巻: 20(12) ページ: e12091
10.2196/12091.
https://www.m.chiba-u.ac.jp/class/phys1/result/index.html
https://www.m.chiba-u.ac.jp/class/rccmd/researcher/2018.html