研究課題/領域番号 |
17K04413
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
高橋 靖恵 京都大学, 教育学研究科, 教授 (90235763)
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研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2023-03-31
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キーワード | スーパーヴィジョン / 心理アセスメント / 臨床心理士指導者養成 / 心理療法 |
研究実績の概要 |
(研究1) 心理アセスメントのスーパーヴィジョンに関するニーズの把握について、2021年度までに概ね調査は完了しまとめの段階に入った。これまでの研究成果の波及から日本ロールシャッハ学会においても、アンケートが実施され、ニーズはあるものの実態としてさまざまな困難がある様子が明示されていた。(研究2)ならびに(研究3)について、日本ロールシャッハ学会主催研修会において、昨年度延期を余儀なくされたが、2021年度は、7月に対面実施が可能となり、研修会参加者や講師の先生方と討議を行うことが叶った。しかし、これ以降開催された学会、研修会は再びオンラインが中心となり、深い討論が難しい状況となった。 さらに、新型コロナウィルス COVID-19感染症の世界的蔓延により、延長を頂いた本研究課題は、最終年度として(研究4)として集約されるところであった。とりわけ2020年度開催予定であった国際ロールシャッハ学会は2021年度に一旦延期になったが、2022年度への延期検討となった。さらにバンクーバーでの開催予定であった国際精神分析協会は、オンラインでの開催となり、国際的な事例検討は困難と考え、参加を見合わせた。 従って、2021年度もオンラインでの心理アセスメントスーパーヴィジョンの可能性を検討しつつ、幅広いスーパーヴィジョンのあり方について、日本精神分析協会の訓練分析家の先生方(スーパーヴァイザー:東京・福岡の各地区)と定期的な討論を実施することになった。この研修によってこれまで考察してきた内容が充実し、さらに発展可能性を得ることができた。この研修もこれまで数年重ねて来たが、2021年度で一旦終結し、2022年度にまとめを行うことと計画変更した。 2022年2月にはこれまでの成果を「企画」の形で具現化させ、)日本心理臨床学会 教育・研修委員会企画 第1回全国研修会 において、指導者養成研修会を実施した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
上記の研究実績にも記載したとおり、予定されていた国内での学会、研修会での成果発表ならびに討議がオンラインで開催となったが、臨床事例検討については、その性質上オンラインでの検討が困難であった。オンライン上での工夫もひとつの課題として、試行している状況である。 昨年度の進捗状況に記載した、国内での新たな計画見直しによって、日本精神分析協会の訓練分析家の先生方との定期的な討論を継続することになり、これによって多角的な分析が可能となり、この検討による成果を含め、次年度に研究期間の延長を依頼した。
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今後の研究の推進方策 |
2021年度に本研究の最終年度を持ち越すこととして、2020年度新たに計画された精神分析的精神療法におけるアセスメントのスーパーヴィジョンの在り方に関する詳細な検討も含め、心理アセスメントスーパーヴィジョンについて、総合的なまとめと考察を進めていくことが可能となった。しかし、新型コロナウィルスCOVID-19の世界的な蔓延により、国際会議への発信は、大会自体の延期により実施できなかった。本研究の性質上、国際的なシンポジウムや臨床事例検討についてオンラインでのウェビナー方式は困難と考え、シンポジウムの企画を控えることも必要と考えている。 一方で、緩やかではあるが、研究発表の機会がコロナ禍による休止から、新たな試行へと変化しつつあり、心理臨床学においても、実績が積まれ初めている。残念ながら上記のコロナ禍に加えて、2021年度末から勃発したロシアのウクライナ侵攻により、2022年度の欧州での国際会議への参加は、オンラインでの参加を余儀なくされる可能性が大きくなったが、国内での発信の機会は、すでに多くの依頼を受けているため、これに応えていきたい。 コロナ禍の影響も踏まえて、心理臨床領域におけるスーパーヴィジョンの在り方について、新たな視点も含めて、これまでの研究のまとめについて、書籍ならびに論文によって、発信を行う予定である。 加えて、多くの学会が2021年はオンライン開催であったが、2022年度は、対面またはハイブリッド開催が予定されており、必要な研究討議が実施可能となる見込みである。
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次年度使用額が生じた理由 |
研究実績にも記載したとおり、予定されていた国内での学会、研修会での成果発表ならびに討議がオンラインで開催となったため、旅費申請が不要となった。2022年度は、多くがハイブリッド開催予定となっており、さらに事例検討については、その性質上オンラインでの検討が困難であったが、オンライン上での工夫もひとつの課題として、試行している状況である。従って、2022年度は、学会や研修会の多くが、感染対策を十分行った上で、過年度より討議が活発になされると予想される。 昨年度の進捗状況に記載した、国内での新たな計画見直しによって、日本精神分析協会の訓練分析家の先生方との定期的な討論を継続することになり、これによって多角的な分析が可能となり、この検討による成果を含め、次年度に研究期間の延長を依頼した。 残念ながら、2021年度末から勃発したロシアのウクライナ侵攻により、2022年度の欧州での国際会議への参加は、オンラインでの参加を余儀なくされる可能性が大きくなったが、国内での発信の機会は、すでに多くの依頼を受けているため、これに応えていきたいと考えている。そのために最終年度として、旅費、謝金の適切な執行を行っていきたい。
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