(研究1):心理アセスメントのスーパーヴィジョンに関するニーズの把握について、これまでの研究成果の波及から2021年度に日本ロールシャッハ学会においてアンケートが実施され、ニーズはあるものの実態としてさまざまな困難がある様子が明示されていた。そこで、2022年度は、当学会の教育・研修委員会では、学会主催研修会の中でスーパーヴィジョンに関する研修コースを企画し、そこに集う熟練者たちに、スーパーヴァイザー登録を勧めていくことに着手した。 (研究2)ならびに(研究3):2022年度では、諸学会ならびに学会主催研修会は、概ね対面実施に回復した。一方でオンラインでの研修の意義も見直され、オンライン方式での研修会も開催された。研究代表者は、これらの対面ならびにオンラインの両方で開催された研修会の講師を担い、心理アセスメントのスーパーヴィジョンについて、研究成果の披露が可能となった。 延期されていた国際ロールシャッハ学会は、ジュネーブでハイブリッド開催となり、申請者は、所属大学の方針ならびに自身の臨床実践活動を鑑み、オンラインでの参加となった。コメントはチャットでの交流にとどまり、積極的な交流は困難であった。 従って、2022年度は、幅広いスーパーヴィジョンのあり方について、日本精神分析協会の訓練分析家の先生方(東京・福岡の各地区)ならびに日本ロールシャッハ学会理事の先生方と定期的な討論をおこなった。これらの活動によってこれまで考察してきた内容が充実し、研究のまとめとなる書籍執筆に着手した。本書は、2023年度末に刊行予定である。さらに研究の成果の一部を諸学会の学術論文ならびに論考にまとめ発表を行った。 2023年3月にはこれまでの成果を研究協力者と共に「企画」の形で具現化させ、日本ロールシャッハ学会主催研修会において、ライブスーパーヴィジョンの形で、指導者養成研修会を実施した。
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