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2018 年度 実施状況報告書

WISC-IVを用いた治療的介入:親との協働モデルの構築及びマニュアルの開発

研究課題

研究課題/領域番号 17K04415
研究機関兵庫教育大学

研究代表者

隈元 みちる  兵庫教育大学, 学校教育研究科, 准教授 (60379518)

研究期間 (年度) 2017-04-01 – 2020-03-31
キーワードWISC-Ⅳ / 協働モデル / フィードバック / 質問紙調査
研究実績の概要

本研究は,臨床現場で広く使用されているWISC-Ⅳについて,そのフィードバック・セッション自体を治療的なものとするための新たな協働モデル(Collaborative WISC-Ⅳ Feedback with Parents: CFP)を提示し,マニュアルの作成及び導入の試みを行うことを目指している。2年目となる本年度はまず,昨年度行った心理士による知能検査・発達検査の実施状況についての質問紙調査の分析を行った。200名の回答を分析した結果,施行する知能検査・発達検査は,ウェクスラー式が95.5%と最も多く,新版K式(48.0%),ビネー式知能検査(17.0%)と続いた(多重回答)。また,自由記述の分析の結果,心理士が検査のフィードバックで重要視していることとして,5つのカテゴリー「今後の生活に役立つ方針を示す」「わかりやすい伝え方」「現状の困りごとへの支援」「被検者の自己理解の促進」「肯定的側面への言及」があることが明らかになった。これらによって,本研究の目的であるWISC-IVのフィードバックの協働モデルとそのためのマニュアルを提示することが,多くの心理士の業務に資することが確認された。またCFPの基本的な考え方が多くの心理士の方向性と一致することも明らかになった。これらをふまえマニュアル作成時には,フィードバックの中で上記の5項目をいかに具現化するかを丁寧に記述することが重要であろう事が示唆された。また,本年度後期からは,European Center for Therapeutic Assessmentにて研修を行う機会を得た。本研究のフィードバックは日本の現状を踏まえ主に保護者を対象としているが,検査を受ける子どもに対しての検査実施前後の声かけや振り返りの重要性について再確認し,マニュアルに反映するための方策について議論を続けている。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

昨年度に実施した心理士による知能検査・発達検査の実施状況についての質問紙の結果の分析が完了した。また,European Center for Therapeutic Assessmentにて,CFPモデルの精緻化についての議論も続けている。当初の計画におけるマニュアル試案の作成については,今後行う予定である。

今後の研究の推進方策

まずは,European Center for Therapeutic Assessmentにて,CFPモデルの精緻化についての議論を深める。これと並行してマニュアル試案を作成し,後期からは作成したマニュアル試案に基づく他の心理士によるCFPの試行を行う予定である。

次年度使用額が生じた理由

アメリカのCenter for Therapeutic Assessmentへの旅費を計上していたが,European Center for Therapeutic Assessmentへの海外研修の機会を得たため,今年度はこの分の支出がなかった。次年度,さらにEuropean Center for Therapeutic Assessmentにて議論を続けるために支出が必要になると考えられる。またマニュアルの策定と他の心理士による試行の準備のために,支出を必要とする。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2018

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件)

  • [雑誌論文] 保護者支援としての協働的WISC-IVのフィードバック2018

    • 著者名/発表者名
      隈元 みちる
    • 雑誌名

      心理臨床学研究

      巻: 36(4) ページ: 377-386

    • 査読あり

URL: 

公開日: 2019-12-27  

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