研究課題/領域番号 |
17K04431
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研究機関 | 京都女子大学 |
研究代表者 |
岩原 昭彦 京都女子大学, 発達教育学部, 教授 (30353014)
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研究分担者 |
八田 武志 関西福祉科学大学, 健康福祉学部, 教授 (80030469)
長谷川 幸治 関西福祉科学大学, 保健医療学部, 教授 (50208500)
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研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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キーワード | 認知加齢 / 運動機能 / 健脚度 / 認知症予防 |
研究実績の概要 |
運動機能の低下は、歩行機能を低下させるだけでなく、認知機能の低下を加速させることが知られている。しかしながら、本邦においては、歩行能力の保持が認知機能の低下を減速させるのかについての研究は十分であるとは言えない。本研究では、健脚度を中心とした運動機能と認知機能との関連性を検証することを目的とする。本年度はストループ検査に新ストループ検査Ⅱを昨年度同様に追加することで、遂行機能と運動機能との関連性の再現性を検討する。また、運動機能の評価に用いているバランス機能を昨年度よりも正確に測定することを試みた。 住民健診に参加した中高齢者394名を対象とした。健脚度はTUG(Time Up and Go)、10歩行、最大歩幅、2ステップテスト、片足立ちによって評価し、バランス機能は重心動揺計によって評価した。認知機能は、D-CAT(注意機能・作業記憶)、ストループ検査(遂行機能)、ストループ検査Ⅱ(遂行機能)、言語流暢性検査(言語産出機能)、論理的記憶検査(エピソード記憶)、Money道路図検査(空間認知機能)によって評価した。 健脚度およびバランス機能を説明変数、性別、年齢、教育歴を調整変数、各認知機能検査得点を目的変数とした重回帰分析を行った。D-CATの1文字末梢検査と片足立ち、ロンベルグ率、10m歩行との間に関連性が認められた。D-CATの3文字末梢検査とTUG、10m歩行、ロンベルグ率との間に関連性が認められた。ストループ干渉率とTUG、10m歩行、ロンベルグ率との間に関連性が認められた。 歩行機能だけでなくバランス機能も認知機能と関連することが明らかとなった。認知機能の中でも前頭葉機能と歩行機能やバランス機能との間に関連性が認められたことは、歩行訓練が運動野や帯状皮質の働きを強めたという先行研究とも一致するものであった。
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