研究課題/領域番号 |
17K04434
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研究機関 | 北海道医療大学 |
研究代表者 |
松岡 紘史 北海道医療大学, 歯学部, 准教授 (50598092)
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研究分担者 |
豊福 明 東京医科歯科大学, 大学院医歯学総合研究科, 教授 (10258551)
安彦 善裕 北海道医療大学, 歯学部, 教授 (90260819)
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研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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キーワード | 舌痛症 / 不確実さ不耐性 / 症状満足度 |
研究実績の概要 |
本研究は,舌痛症患者の中で症状満足度が改善しにくい患者を明らかにする方法の確立を目指すとともに,当該患者に対する介入方法の確立を目指すものである。本年度は,症状満足度が改善しにくい舌痛症患者の満足度に関連する要因の検討を行った。歯科医師にBMSと診断された患者34名と一般歯科患者100名を対象とした.調査項目は,①口腔内状態の満足度,②初診と比べた現在の症状の程度,③Short Intolerance of Uncertainty Scale(SIUS),④健康不安,の4項目で調査を行った.調査方法は,対象患者に各調査項目に対して回答を求めるもので,調査時点から過去を振り返る後ろ向き研究であった.本研究の結果は,BMS患者群でのみ口腔内状態の満足度と症状の程度の間に有意な負の相関がみられ(r=-0.35, p=0.037),これにIUの影響を排除した偏相関分析を実施すると,偏相関係数が高い値であった (r=-0.48, p=0.005).SIUSの高さによって対象者を2群に分けた結果,SIUSの高い患者群でのみ口腔内状態の満足度と症状の程度は負の相関が得られた(r=-0.64, p=0.045). 不確実さ不耐性が高いと口腔内状態の満足度と症状の程度が関連することが示されたことから, 不確実さ不耐性が高いと口腔内状態の満足度を高めるためには症状の改善が不可欠であることが示唆された.次年度は,不確実さ不耐性が症状満足度に及ぼす影響を前向き研究によって検証するとともに,不確実さ不耐性を用いて症状満足度が改善しにくい患者の同定が可能であるか検証を行う。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
舌痛症患者の症状満足度に影響する要因の候補を明らかにできたためおおむね順調に進んでいる。
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今後の研究の推進方策 |
舌痛症患者の症状満足度に影響する要因を前向き研究によって確定するとともに,そうした要因によって症状満足度が高まらない患者の同定が可能であるか検証を行う。
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次年度使用額が生じた理由 |
理由:舌痛症患者の症状満足度に影響を及ぼす要因を制限する研究を今年度に行い,次年度にその結果に基づく縦断調査を実施することにしたため。 使用計画:翌年分請求額と併せて,研究協力者謝金および成果発表費として使用する。
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