研究課題/領域番号 |
17K04440
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研究機関 | 跡見学園女子大学 |
研究代表者 |
酒井 佳永 跡見学園女子大学, 心理学部, 教授 (60349008)
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研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2023-03-31
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キーワード | 双極性障害 / スクリーニング / 気分障害 / 家族心理教育 |
研究実績の概要 |
本研究の目的は双極性障害のスクリーニングのための自記式質問紙である「軽躁チェックリスト(Hypomania Check List-33:HCL-33)」、そして、HCL-33と同じ項目を家族や専門家などが評価することを想定した「軽躁チェックリスト他者評価版(Hypomania Check List-33 External Assessment:HCL-33EA)」の信頼性と妥当性を検討することである。当初、5箇所の医療機関から調査協力を得て、大うつ病性障害および双極性障害の診断で治療を受けている患者、その家族に対する自記式調査および面接調査を計画していた。 目標症例数はうつ病性障害100名、双極性障害100名である。しかし、5か所の調査協力機関のうち、3か所において人事異動があり、調査進捗に遅れがあったことに加え、令和2年度から始まった新型コロナウイルスの感染拡大の影響により、令和3年度3月時点における対象者数は、目標症例数の4割程度にとどまった。 令和3年度は、新型コロナウイルスの感染拡大下において、外来主治医が簡便に調査を実施できるように研究計画を見直し、引き続き調査を実施し、目標症例数に達するまで調査を続行する予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
令和2年度から始まった新型コロナウイルスの感染拡大により、医療機関の診療にも大きく影響が出ていること、医療機関への外部者の立ち入りが制限されていることにより、調査員を雇用して医療機関で調査を行うことができず、一時調査を中断し、研究期間の延長を行った。 また、新型コロナウイルスの感染拡大が当初の見通しよりも長く続いたため、令和3年度は、調査員を雇用しなくても外来主治医が診療の中で簡便に調査を実施できるように、調査項目を一部見直す、調査協力機関を増やすなどの研究計画の変更を行い、研究計画の修正について倫理審査を受けた。現在、引き続き調査を実施している。
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今後の研究の推進方策 |
上記したとおり、本調査のために雇用した調査員がいない場合も、外来主治医が簡便に調査を実施できるよう、研究計画を修正した。また新型コロナウイルスの感染拡大が収束した際には、調査員を雇用し、調査協力施設の負担を減らす。さらに新たな調査協力施設を1か所増やして調査を実施する。今年度中に、目標症例数を得たうえで、データの解析および研究成果の発表を行う予定である。
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次年度使用額が生じた理由 |
新型コロナウイルスの感染拡大により、調査の進捗が遅れているため、次年度使用額が生じた。 令和4年度は、研究計画の見直しを行ったうえで、引き続き調査を実施するとともに、得られたデータの整理、分析を行う。研究費は、調査票の印刷およびファイリングのための消耗品、調査票の郵送、対象者への謝礼、調査票の印刷郵送、データ入力等の事務作業を行うリサーチアシスタントの人件費、データ分析、研究成果の発表に必要なソフト等の消耗品に使用する。
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