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2017 年度 実施状況報告書

コーチング心理学に基づいた女性の就労支援プログラム開発と有効性の検討

研究課題

研究課題/領域番号 17K04449
研究機関桜美林大学

研究代表者

石川 利江  桜美林大学, 心理・教育学系, 教授 (20222979)

研究分担者 松田 与理子  桜美林大学, 心理・教育学系, 准教授 (50649184)
研究期間 (年度) 2017-04-01 – 2020-03-31
キーワードコーチング心理学 / 女性 / 就労支援 / 介入
研究実績の概要

出産、育児などのライフイベントにより離職した女性に対して再就労に支援のための質問紙作成の基礎的資料の収集を目的として、関連する文献検討、自由記述式アンケート調査による検討を行った。その結果、女性の就労促進に効果を与える可能性があるものとして、経済的課題解決の必要性の高さ、女性自身の育った家庭状況特に母親の就労状況、夫婦関係特に夫の就労への理解度、子どもに対する影響への懸念、保育園などの社会的支援の利用可能性、自己実現への模索などが影響要因として挙げられた。経済的課題解決の必要性や子どもに対する影響への懸念などは古くから多くの研究で就労の影響要因として指摘されているが、保育園などの社会的支援の利用可能性への認識、自己実現への不安や模索なども新たな要因として検討課題に追加する必要性が示された。また、就労支援コーチングプログラムの開発のために、就労を目指そうとする女性のためのコーチングセミナーを地域と連携して実施した。18名の参加者を対象としてセルフコーチングの集団式ワークショップを行い、質問のスキルや承認のスキルを就労の認識の明確化や行動化への意欲向上につなげる試みを行った。その結果、セルフコーチングの技法によるワークの実践は、自己の強みやリソースへの気づき、就労の障害要因からの視点の転換などに一定の効果があることが示されたが、長期的効果の確認についても検討していく必要性が指摘された。一方、就労への認識や再就労への不安などに年代による違いなど個別性の問題が認められ、対象者の支援の在り方を工夫する必要があることも明らかになった。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

4: 遅れている

理由

研究計画では、出産、育児などのライフイベントにより離職し在宅の女性とその後再就職した女性を対象としていたが、2017年度はまだ復職していない女性のみを対象とした調査であった。また、介入方法もセルフコーチングによるプログラムを用いており、情動的コーチングと解決志向コーチングの1対1コーチングの方法については、その手続きの検討にとどまり実施できていない。そのため遅れていると判断した。

今後の研究の推進方策

今年度実施できていない海外で成功している子育て離職女性に対する就労支援プログラム開発のための観察・聞き取り調査を実施する。そして再就職した女性に対するインタビュー調査を行い、離職中にとらえていた再就労の阻害要因とその対処、再就労したことによる新たな課題など現在の認識を中心にインタビューおよびアンケート調査を実施する。今年度収集した就労促進関連要因に関する質問項目を含め検討を行う。その結果を用いて再就労活動エフィカシー尺度を作成し、その妥当性・信頼性を検討する。また、今年度実施できていない再就職した女性に対するインタビュー調査を行い、集団式コーチングプログラムと情動的コーチングと解決志向コーチングを用いた1対1コーチングの実践を行い、介入プログラムの開始前と後に、介入の効果を確かめるためのアセスメントを実施していく。

次年度使用額が生じた理由

今年度計画していたアンケートの実施や聞き取り調査を実施できておらず、次年度に持ち越した。そこで次年度は次のような使用計画を立てている。米国子育て離職女性に対する就労支援プログラムの観察・聞き取り調査のための旅費、再就職した女性に対するインタビューデータ処理のための人件費、就労支援のためのアンケート調査のための調査依頼費、情報収集及び研究成果報告のための学会出張費

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公開日: 2018-12-17  

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