出産前後の女性心理援助職を対象に、「妊娠出産子育てという体験の中で、女性心理援助職がセラピストとしての自分を見つめ直していくプロセス」について半構造化面接を行い、修正版グラウンデッド・セオリーにより分析した。その結果から、セラピストが妊娠により不十分さに直面し、休むことへの自責の念を整理し乗り越えようとする中で、親であることの体験活用や、クライエントとの関係性の変化を経験し、受容感を持つに至ることが示唆された。そのような動きは子育ての現実によりもたらされ、セラピストであることの主体性につながり、セラピストとしての不十分さを受け入れるというプロセスが明らかとなった。
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