研究実績の概要 |
本研究は、大学生の就職活動経験を契機とした成長が、内定期間中の行動を媒介して入社後の組織適応を規定するという知見(高橋・岡田,2013,2014,2015,2016)を基盤とし、就職活動経験と入社初期の適応とを結びつける内定者フォロープログラムを開発し、実施と効果測定を行うことを目的として行った。 本年度は、これまでの研究で明らかにされた内定期間中の大学生の行動(5類型)と入社6か月時点での新入社員の心理と行動、若年就業者の入社前および入社初期の取り組みの実態と現在の組織適応との関連の結果を踏まえ、内定者フォロープログラムの内容と関連づけて総括を行った。 一方、コロナ禍以降に就職活動に取り組んだ学生については、webによる説明会や面接の導入等、採用活動のオンライン化が急速に進み就職活動やその準備のプロセス、入社後の組織での経験に大きな変化が見られ、就職活動と入社後の組織適応との関係にも影響が想定された。また、インターンシップの内容や位置づけ変化の影響が見られ、就職活動の取り組み期間、取り組み方等に変化が見られた。研究計画にも変更が必要となった。コロナ禍以降の就職活動に関する実態調査は行ったが、内定者研修およびフォローアップ研修については、研究協力者の確保に難航して実施できなかった。また、就職活動および内定期間中の経験が入社後の組織適応に及ぼす影響に関しても今後の課題となった。研究の最終年度を迎え、研究を終結することし、これまでの研究成果のとりまとめに取組んだ。
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