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2017 年度 実施状況報告書

知能検査UNIT2とC-LIMを利用した多文化心理教育アセスメントモデルの開発

研究課題

研究課題/領域番号 17K04466
研究機関立正大学

研究代表者

島田 直子  立正大学, 心理学研究所, 客員研究員 (50596111)

研究期間 (年度) 2017-04-01 – 2021-03-31
キーワード心理アセスメント / 外国につながる子ども / 知能検査
研究実績の概要

近年、グローバル化が進み、異文化の影響を受ける子どもたちの心理・発達面のニーズが報告されている。このような問題に対しては、知能検査を利用して心理アセスメントを行うことが推奨されるが、現在日本では、多文化背景の子どもたちに対する適切なアセスメント手段がない。そこで本研究では、米国で文化言語マイノリティの子ども達に広く利用されている非言語性知能検査Universal Nonverbal Intelligence Test-Second Edition:UNIT2, Bracken & McCallum, 2016)を使用を含む包括的な多文化心理教育アセスメントモデルを開発することを目的とする。
本年度は、UNIT2の日本での使用に関する信頼性と妥当性の検証を目的として、UNIT2の検査得点を収集するために、所属機関の研究倫理審査委員会からの承認手続きを得る、検査用具の追加購入を試みるなど、調査実施のための準備を進めた。検査用具に関しては、出荷が大幅に遅れており、年度内に入手することができなかった。そのため、既に購入済みの検査用具のみを使用してデータ収集を開始した。
また、米国での多文化心理教育アセスメントの方法について,過去の実践事例を参考として論文にまとめた。日本学校心理学会つくば大会においては、本研究の土台となっている若手(B)研究:非言語性知能検査UNITを利用した多文化心理教育アセスメントモデルの開発で行ったUNITの収集データに関するポスター発表を行い、結果を精査してめ国際誌への投稿、及び修正作業を行った。また、米国に開発の背景を持つ日本の知能検査について、それぞれの多文化アセスメントにおける利用方法に関して、米国の文献を中心に情報収集を行い、資料論文として整理する作業を進めた。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

本年度は、まず、UNIT2の日本での使用に関する信頼性と妥当性の検証のためのデータ収集を行う準備を進めた。具体的には、所属機関の研究倫理委員会より研究手続きに関する承認を得た。また、調査実施者を採用し、UNIT2の検査方法や調査手続きに関するトレーニングを行った。UNIT2検査用具の追加購入を試みたが、出荷が大幅に遅れ、年度内の入手が困難であったため、既に購入済みの検査のみを使用して、調査を開始した。本年度は32名分のUNIT2のデータを収集し、そのうち9名に関しては、年齢に応じてWISC-IVまたはWAIS-IIIの実施についても協力を得た。また、日本で開発されている知能検査のうち米国に開発の背景のある検査に関して、米国での多文化利用に関する最新の文献を収集するとともに、知能検査のC-LIM(文化と言語の解釈表)の開発者の一人であるDr. Ortiz, S.の講座を含む学校神経心理学関連のオンライン講座を受講し、C-LIM及び発達障害アセスメントに関する情報収集を行った。収集した情報は日本語で整理し、資料論文としてまとめ、現在査読段階にある。加えて、著者自身が過去に実施した米国でのアセスメント方法について事例を参考に論文として整理した。日本学校心理学会(つくば大会)では、本研究の土台となっている若手(B)研究で収集したUNITの検査データに関するポスター発表を行った。その結果を精査して、国際誌へ投稿し、査読結果に従い、現在修正作業を進めている。

今後の研究の推進方策

UNIT2及びWAIS/WISCについてのデータ収集を継続し、平成30年度は約50名程度のUNIT2とそのうち10~15名程度のWISC/WAISのスコアについてデータ収集を行う。また、査読中となっている論文の結果に従い、修正作業を行う。本年度、収集したデータを使用して分析を行い、結果について国際学校心理学会にて発表する。多文化・言語背景に関する質問紙や検査を選択の基準を検討するなど、検査の実施と解釈に関わる知識についてまとめる。

次年度使用額が生じた理由

本年度の予算はほぼ計画通りに使用したが、米国の出版社から購入を試みたUNIT2検査用具の出荷が遅れ、年度内の納品が不可能となったため、検査用具の購入のために確保しておいた予算に変更が生じた。
次年度はUNIT2検査用具の購入費用、UNIT2及びWAISおよびWISCのデータ収集を継続するため、調査実施の謝金及び謝礼支払いのための経費、資料整理のための人件費として使用する。平成30年7月に開催される国際学校心理学会(東京)と11月に開催されるLD学会(新潟)等の学会にて情報収集及び成果発表を行うため、学会参加費と旅費のために必要な経費に使用する。

  • 研究成果

    (4件)

すべて 2018 2017

すべて 雑誌論文 (2件) 学会発表 (2件)

  • [雑誌論文] 発達・精神障害のある学生の支援に活かすアセスメント(1) ―発達障害関連支援ニーズとその評価を中心に―2018

    • 著者名/発表者名
      篠田晴男・島田直子・篠田直子
    • 雑誌名

      立正大学障害学生支援室年報

      巻: 1 ページ: 156-162

  • [雑誌論文] 米国のスクールサイコロジストによる多文化背景の子どものアセスメント-事例を通してアセスメント方法の報告と考察2018

    • 著者名/発表者名
      島田直子
    • 雑誌名

      駒澤大学心理学論集

      巻: 20 ページ: 33-42

  • [学会発表] 立正大学における障害学生支援体制のキャッチアップ(2) 支援の実際と書字困難訴える学生の事例2017

    • 著者名/発表者名
      島田直子・饒波圭祐・篠田晴男・高木伸子・森下陽美・櫻井郁子・吉山辰之
    • 学会等名
      全国高等教育障害学生支援協議会第三回大会 同志社大学
  • [学会発表] 外国につながる子どもの心理アセスメント:非言語式知能検査UNITの日本における得点の公平性について2017

    • 著者名/発表者名
      島田直子・饒波圭祐・今村由未香・飯田順子・攪上哲夫・雪田彩子
    • 学会等名
      第19回日本学校心理学会 筑波大学筑波キャンパス春日地区

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公開日: 2018-12-17  

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