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2020 年度 実施状況報告書

知能検査UNIT2とC-LIMを利用した多文化心理教育アセスメントモデルの開発

研究課題

研究課題/領域番号 17K04466
研究機関立正大学

研究代表者

島田 直子  立正大学, 心理学研究所, 客員研究員 (50596111)

研究期間 (年度) 2017-04-01 – 2022-03-31
キーワード外国につながる子ども / アセスメント / 知能検査 / 多文化・多言語背景
研究実績の概要

近年、グローバル化が進み、異文化の影響を受ける子どもたちの心理・発達面のニーズが報告されている。子どもが抱えるこのような問題に対しては、心理アセスメントを行い 認知特性の評価を行うことも推奨されるが、現在、日本では、多様な文化背景の子どもたちに対する適切なアセスメント手段がない。そこで本研究では、米国で文化や言語マイノリティの子ども達に広く利用されている非言語性知能検査Universal Nonverbal Intelligence Test-Second Edition:UNIT2, Bracken & McCallum, 2016) の使用を含め、包括的な多文化心理教育アセスメントモデルを開発することを目的とした。

令和2年度は、新型コロナウイルス感染拡大により、データ収集に関する研究活動を行うことが制限された。そのため、オンラインによる学会や研修会への参加、文献研究、データ分析、論文の執筆に注力した。具体的には、2021年2月にオンライン開催された米国学校心理学会年次大会や、米国Landmark Collegeのオンライン研修会に参加し、心理教育アセスメントや発達障害の支援に関する情報収集を行った。文献研究では、米国に開発の背景がある日本の主要な検査について、その米国版の多文化アセスメントにおける利用方法に着目して、文献研究を深めるとともに、米国以外の各国における文化言語マイノリティの心理教育アセスメントの研究や、国際テスト学会の動向についても情報整理を行った。加えて、昨年度までに収集したUNIT2のデータを整理し、統計分析を進め、結果についての論文の執筆を行った。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

令和2年度は、新型コロナウィルス感染拡大の影響で、データ収集を継続することが困難であった。そのため、オンラインによる学会や研修会への参加、文献研究、データ分析、論文の執筆に注力した。具体的には、2021年2月にオンライン開催された米国学校心理学会年次大会や、米国Landmark Collegeのオンライン研修会に参加し、心理教育アセスメントや発達障害の支援に関する情報、コロナ禍におけるアセスメントの実施等について収集を行った。文献研究では、米国に開発の背景がある日本の主要な検査について、その米国版が、どのように多文化アセスメントに利用されているかに着目して、C-LIMの利用方法を含めて、文献研究を深めた。米国以外の各国における文化言語マイノリティの心理教育アセスメントの研究や、国際テスト学会の動向についても情報整理を行った。加えて、昨年度までに収集したUNIT2のデータを整理し、一部データの分析方法を変更して、統計分析を進め、結果についての英語論文の執筆を行った。本研究は、調概ね、順調に進展していると考えられるが、新型コロナウイルス感染拡大の影響によりデータ収集が困難なために、データ収集が遅れている点がある。

今後の研究の推進方策

令和3年度は、UNIT2のデータ分析に関する英語論文を執筆する。本年度は、昨今の社会情勢により、引き続きソーシャルディスタンスが求められる状況であるため、その状況を考慮して、可能な時期にUNIT2およびWAIS/WISCのデータ収集を再開する。UNIT2を利用した事例研究についても実施を予定しているが、同様の理由で、実施時期と実施方法について慎重に判断して行う予定である。また、これまで、わが国で使用されている知能検査などの主要な認知特性検査のうち、米国に開発の背景がある検査を対象として、その米国版が米国内の文化言語マイノリティの子どもたちに利用される方法に着目して、文献研究を進めた。本年度は、その点を踏まえ、各検査のC-LIMの参考方法について、日本国内での利用可能性についても検討を深める。加えて、多文化・多言語背景等、アセスメントに必要な質的情報、検査得点の解釈に留意すべき多文化・多言語背景のある子どもの発達に関する基礎知識などについて精査し、2021年9月に行われる日本学校心理学会理事会企画シンポジウムにて話題提供を行うことを予定している。

次年度使用額が生じた理由

本年度の予算は、新型コロナウイルス感染拡大のために研究活動が制限されたため、データ収集や学会参加のために確保しておいた予算に変更が生じた。令和3年度は、新型コロナウイルス感染拡大の状況に応じて、UNIT2及びWAISおよびWISCのデータ収集を再開する。調査実施の謝金及び謝礼支払いのための経費、資料整理のための人件費として使用する予定である。本研究の結果を国際誌へ投稿するための準備として、英文原稿校正費を必要とする。また、9月に予定されている日本学校心理学会(オンライン開催)で、多様な文化・言語背景のある子どもに関する学会企画シンポジウムにて話題提供を行う予定であるため、その参加費が必要になる。さらに、昨今の社会的状況を考慮し、慎重に判断した上で、2021年2月に開催予定の米国学校心理学会(ボストン)などの、学会への参加を検討しているため、その場合の、学会参加費と旅費が必要となる。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2020

すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 1件、 オープンアクセス 1件)

  • [雑誌論文] An initial validation of a home-school partnership questionnaire related to teachers’ attitudes and actions: Predicting teachers’ burnout2020

    • 著者名/発表者名
      Iida Junko、Shimada Naoko、Yamasaki Saori
    • 雑誌名

      International Journal of School & Educational Psychology

      巻: Nov.11 ページ: 1~14

    • DOI

      10.1080/21683603.2020.1837701

    • 査読あり / オープンアクセス
  • [雑誌論文] コロナ禍におけるオンライン授業の実施と支援ニーズについて ―障害特性をふまえた合理的配慮のあり方―2020

    • 著者名/発表者名
      饒波圭祐・刈田恵介・冨澤恵愛・島田直子・森下陽美・篠田晴男
    • 雑誌名

      立正大学障害学生支援室年報

      巻: 4 ページ: 78-88

URL: 

公開日: 2021-12-27  

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