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2019 年度 実績報告書

国際テロ及び組織犯罪の未然防止に向けた事象関連電位による探索型情報検出の確立

研究課題

研究課題/領域番号 17K04475
研究機関福山大学

研究代表者

平 伸二  福山大学, 人間文化学部, 教授 (30330731)

研究期間 (年度) 2017-04-01 – 2020-03-31
キーワード国際テロ / 隠匿情報検査 / 事象関連電位 / P300 / 模擬テロ攻撃シナリオ / 受動的パラダイム / テロリスト / 組織犯罪
研究実績の概要

東京オリンピック・パラリンピック大会は2021年に日本で開催される。これらの大きなイベントは,国際的な注目を集めていることから,国際テロ対策が必要となっている。本研究の目的は,模擬テロ攻撃シナリオ課題を使用して探索型隠匿情報検査(SCIT)の有効性について受動的パラダイムを用いて検討することであった。研究1は,これまでの標準的な3刺激オドボール課題を用いて,模擬攻撃テロシナリオ課題を読んで記憶してCIT検査を実施した。しかしながら,攻撃する都市名,標的,実行日3条件ともにprobe(テロに関係した探索すべき刺激)とirrelevant(無関係)刺激のP300振幅に有意差が認められなかった。そこで,研究2では模擬攻撃テロシナリオ課題を別室で実行した結果,同じシナリオでも有意差が認められ,80%の検出率が得られた。研究3では別室にいる実験協力者(サクラ)とシナリオを作成する工夫を行った結果,都市名,標的,実行日3条件ともにprobeに対するP300振幅が大きくなった。研究4では,国際テロを考慮して言語に依存しない顔写真で実験を行った。その結果,テロ実行犯として割り当てた顔写真(probe)でP300振幅が有意に大きくなった。研究5では,テロリストがCIT検査に対して妨害工作を行うことを考慮して,顔画像を呈示しながら身体的及び心理的カウンタメジャーを教示で実行させた。身体的カウンタメジャーは,刺激呈示とともにつま先に力を入れて妨害する方法であったが,probeとirrelevant刺激に有意差が認められた。但し,心理的カウンタメジャー群では有意差は認められなかった。今後,従来のP300振幅に加え,顔の既知顔と未知顔の弁別に有効な視覚刺激に対する視線を新たな指標として加え,複数指標による検出率向上に関する研究を進めていく。

  • 研究成果

    (6件)

すべて 2020 2019

すべて 雑誌論文 (2件) (うちオープンアクセス 2件) 学会発表 (3件) 図書 (1件)

  • [雑誌論文] 顔写真を用いた探索型隠匿情報検査によるテロ実行犯の検出2020

    • 著者名/発表者名
      平 伸二・岡﨑麻依
    • 雑誌名

      福山大学人間文化学部紀要

      巻: 20 ページ: 34-42

    • オープンアクセス
  • [雑誌論文] 模擬テロ攻撃シナリオ課題による受動的パラダイムを用いた探索型隠匿情報検査――事象関連電位による検討――2019

    • 著者名/発表者名
      平 伸二・植田善博・濱本有希
    • 雑誌名

      福山大学人間文化学部紀要

      巻: 19 ページ: 37-44

    • オープンアクセス
  • [学会発表] 顔写真を用いたSCITにおけるカウンタメジャーの影響―P300を指標として―2020

    • 著者名/発表者名
      岡﨑麻依・平伸二
    • 学会等名
      第38回日本生理心理学会大会
  • [学会発表] 実験参加者作成の模擬テロ攻撃シナリオ課題による探索型隠匿情報検査2019

    • 著者名/発表者名
      平 伸二・植田善博・濱本有希
    • 学会等名
      第37回日本生理心理学会大会
  • [学会発表] SCITを用いた模擬テロ実行犯メンバーの検出―P300を指標として―2019

    • 著者名/発表者名
      岡﨑麻依・平伸二
    • 学会等名
      中国四国心理学会第75回大会
  • [図書] テロリズムの心理学 「第6章 テロリストの検出とテロ計画の情報収集」2019

    • 著者名/発表者名
      越智啓太(編著) 平 伸二
    • 総ページ数
      222(109-125)
    • 出版者
      誠信書房
    • ISBN
      9784414416602

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公開日: 2021-01-27  

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