研究課題/領域番号 |
17K04483
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研究機関 | 国立研究開発法人国立精神・神経医療研究センター |
研究代表者 |
片柳 章子 国立研究開発法人国立精神・神経医療研究センター, 認知行動療法センター, 客員研究員 (80792407)
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研究分担者 |
中島 聡美 武蔵野大学, 人間科学部, 教授 (20285753)
小西 聖子 武蔵野大学, 人間科学部, 教授 (30251557)
堀越 勝 国立研究開発法人国立精神・神経医療研究センター, 認知行動療法センター, センター長 (60344850)
牧田 潔 愛知学院大学, 心身科学部, 准教授 (00455560)
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研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2021-03-31
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キーワード | 心的外傷後ストレス障害 / 心的外傷後ストレス症候群 / 認知処理療法 / 青少年 / トラウマ / 治療開発 / 前後比較試験 |
研究実績の概要 |
世界的な治療ガイドラインでは、成人の心的外傷後ストレス障害(Posttraumatic Stress Disorder; PTSD)に対する第一治療選択として、トラウマに焦点を当てた認知行動療法が、児童のPTSDにはトラウマフォーカスト認知行動療法が推奨されている(NICE guidelines, 2015; Jonas et al, 2013)。しかし、子どもから成人へと移行する発達時期に最適化した、青少年に特化したエビデンスに基づくトラウマ治療は申請者らの知る限り存在しない。 青少年期はPTSDに準じるような対人関係での傷つき体験が多いことを鑑み、対象範囲を拡大し、米国精神医学会DSM-5のA基準閾値下を含めた心的外傷後ストレス症候群(Posttraumatic Stress Syndrome; PTSS)を呈する青少年を対象にした青少年用認知処理療法(Cognitive processing therapy for Adolescent and Young Adult with PTSS; CAYAP)の開発を考えるに至った。青少年期は情動コントロールが困難で、安全感・安心感、援助希求行動に乏しく、自傷や逸脱行為のリスクが他の年齢層に比べ高いことから、CAYAPにおいては、既存の認知処理療法に安全のための対処スキルの学習と対象者が安心できる環境を構築するために保護者面接を並行して実施する。 2019年8月、倫理委員会から承認を得て、前後比較試験に入る前に1例実施し、治療マニュアルの使用感を確認したところ、青少年が理解しづらい言葉や文章など課題が見つかった。その後、マニュアルを修正し、2020年2月、臨床試験の登録を行った(UMIN000039341)。2月から臨床試験を始める予定だったが、新型コロナウイルス感染症の発生により、現時点では臨床試験が進められない状況にある。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
治療マニュアルを細部まで整備したことと新型コロナウイルス感染症の影響により臨床試験開始は当初予定していたよりやや遅れているものの、患者、治療者にとって理解しやすい冊子を作成することができていると考える。
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今後の研究の推進方策 |
新型コロナウイルス感染症の状況を確認しながら、臨床試験に向けて実施施設との調整、リクルートのための広報活動を進め臨床試験を推進させる。
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次年度使用額が生じた理由 |
国際児童青年精神医学会発表が次年度繰り越しとなったため。
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