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2018 年度 実施状況報告書

重症精神障害者を対象としたアウトリーチ支援における認知行動療法の効果検討と普及

研究課題

研究課題/領域番号 17K04485
研究機関国立研究開発法人国立精神・神経医療研究センター

研究代表者

佐藤 さやか  国立研究開発法人国立精神・神経医療研究センター, 精神保健研究所 地域・司法精神医療研究部, 室長 (20450603)

研究分担者 藤井 千代  国立研究開発法人国立精神・神経医療研究センター, 精神保健研究所 地域・司法精神医療研究部, 部長 (00513178)
研究期間 (年度) 2017-04-01 – 2020-03-31
キーワード認知行動療法 / ACT / 地域ケア / 統合失調症 / 精神科リハビリテーション
研究実績の概要

【目的】本研究の目的はACTチームによるCBTの効果検討のためのRCTについて医療経済的側面を含めた包括的な分析をすることであった。
【方法】1)対象者と研究デザイン:①年齢が20歳以上のもの、②「不安を中核とする症状、問題」で日常生活上の支障があるとACTスタッフが判断したもの、③書面による同意が得られるもの、クラスターRCTデザインで介入群と対照群を比較 2)介入内容:①介入群:研究班がACTチームのスタッフを対象にCBTに関する研修および継続的なスーパーバイズを提供し、これに基づいてスタッフ自身がACT利用者にCBTを実施、②対照群:通常のACT支援のみを実施
【結果と考察】1)介入の効果検討:全国のACTチーム15機関から研究協力を得た。これらのチームをランダムに2群に分け、8チームを介入群、7チームを対照群とし、それぞれ50名(平均年齢45.11±9.93歳)、44名(平均年齢42.16±11.56歳)の利用者をリクルートした。ベースライン調査終了後から2カ月1回、介入群チームを対象にCBTに関する研修及び事例検討会を実施し、これを踏まえたCBT実践を各チームで12か月間を提供した。分析の結果、精神症状や社会的機能だけでなく、主観的な不安感等にも介入群にのみ有意な改善があった。2)医療経済的検討:利用者1人あたりにかかる医療費、障害福祉サービス費および訪問回数の1カ月あたりの平均値を算出した(表1)。この結果、対照群と比べて対照群のほうがかかる費用が低く、訪問回数も少なかった。以上の検討からACTチームのような多職種アウトリーチチームによるCBTの提供は利用者の臨床像や生活上の課題を改善することに加え、医療費や障害福祉サービス費用を抑えられることが示唆された。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

研究協力機関の尽力により、すでに予定していたすべてのデータ収集を終えることができたため。

今後の研究の推進方策

現在、国際学会での発表や国際誌への投稿準備中である。

次年度使用額が生じた理由

若干のずれが生じたが、ほぼ予定通りの執行であった。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2018

すべて 雑誌論文 (2件)

  • [雑誌論文] アウトリーチチームにおけるCBTp-ACTチームとの共同-2018

    • 著者名/発表者名
      佐藤さやか
    • 雑誌名

      認知療法研究

      巻: 11 ページ: 138-140

  • [雑誌論文] 公認心理師のための職場地図「アウトリーチ」2018

    • 著者名/発表者名
      佐藤さやか
    • 雑誌名

      臨床心理学

      巻: 106 ページ: 455-456

URL: 

公開日: 2019-12-27  

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