研究課題/領域番号 |
17K04490
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
実験心理学
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研究機関 | 信州大学 |
研究代表者 |
今井 章 信州大学, 学術研究院人文科学系, 教授 (80211754)
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研究分担者 |
田中 慶太 東京電機大学, 理工学部, 准教授 (10366403)
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研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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キーワード | 運動知覚 / 脳磁図 / 仮現運動 / 視覚刺激 / 聴覚刺激 / 視聴覚複合刺激 |
研究成果の概要 |
本研究では,運動している物体を人が「見る」仕組み(運動知覚)の解明に焦点をあて,運動知覚に関わる脳活動について脳磁図(MEG)を測定して検討した。その際,視覚刺激として平面的な(2D)刺激と立体的な(3D)刺激を提示,さらに視聴覚複合刺激を提示する条件で調べた。その結果,運動に関わる脳の活性化は,1次視覚野の後頭部から側頭部,前頭部へと伝えられる一方,立体視情報は視覚野に留まることが示唆された。さらに,視聴覚複合刺激の場合,脳活動が視覚刺激と聴覚刺激との空間的位置のずれの影響を受けることが示された。以上のことから,脳内では必要な情報のみが必要な領野へと伝達されていくことが示されたといえる。
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自由記述の分野 |
実験心理学
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
運動知覚の仕組みを支える脳内基盤の解明は,未だに明らかになっていない。本研究では,脳磁図(MEG)を取得して,運動に関わる脳内ネットワークの解明を目指した。その結果,運動感に関わる脳活動は他領野に伝えられる一方,立体感に関わる情報は視覚領野に留まることが示唆された。このことは,脳内ネットワークにおいては,運動などの情報の「重要性」が処理の促進と抑制を決めていることを示唆しており,脳機能解明の新たな手がかりとなる知見を得た点で,本研究結果は学術的のみならず社会的な意義も大きい成果といえる。
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