研究課題/領域番号 |
17K04501
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研究機関 | 目白大学 |
研究代表者 |
時田 みどり 目白大学, 保健医療学部, 教授 (40571112)
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研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2022-03-31
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キーワード | 要約統計量 / 平均値推定 / 感覚様相 / 分散推定 |
研究実績の概要 |
5月-6月に触覚刺激提示装置の選定を進め,7月-9月に触覚刺激を用いた予備実験を行う予定であったが,covid-19感染拡大に伴い緊急事態宣言が発令されたため,実験を実施することができなかった.そのため,予定を変更して以下の通りに研究を進めた. Cognitive Science SocietyのVisual meetingでの及び論文発表:昨年度に実施した調整法を用いた分散同定研究について,proceedingでの原著論文を発表した.論文では,異なる刺激属性間(方位と面積)のバラツキ感(分散)の調整において,分散の主観的等価点に一貫した傾向が示されたことから,異なる刺激属性間でのバラツキ間のマッチングが可能であることを示唆した. 触覚刺激装置の選定及び購入(6月-9月):国内外の業者から6種類の触覚刺激提示用の振動子を購入し,触覚刺激提示方法の確認と予備調査を行なった.聴覚刺激,視覚刺激との調整を行って,実験準備を進めた. Web調査による割合推定実験の実施:対面での実験が困難であったことから,300名の一般被験者を対象として,数量の推定,割合推定等のweb実験を行なった.調査内容は,コンピュータ画面上に提示された視覚刺激についての1)大凡の数の識別課題,2)大凡の数の推定課題,3)割合推定課題と,ニューメラシー課題で構成された. 結果をまとめ,2021年度5月に開催されるPsychological Science Associasion国際学会での発表を予定している.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
漸く触覚刺激提示装置の初期設定を終え,1-1触覚刺激における平均感覚量推定精度の測定,研究1-2 聴覚刺激における平均量推定精度の検討の予備実験に取り組んでいる状況である.当初の研究計画では,「研究2.各モダリティの平均量推定における情報処理モデルの構築」までを終え,要約統計量推定の情報処理モデルを構築している予定であったので,大幅に遅れている.
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今後の研究の推進方策 |
5月に触覚刺激を用いた予備実験を行い,6月-7月末に本実験,11月に学会発表,年度末に研究結果をまとめて,3月末には論文を投稿する予定である.同時並行して,今年度の予定である「研究3.視・聴・触覚で共通のSSRメカニズムの検証」を行う.具体的には,各感覚モダリティの平均量推定精度と他の認知機能(記憶・注意等)との関連性の検討(研究3-1)を進め,平均量推定課題とともに,視覚性及び聴覚性のワーキングメモリ課題,注意課題を行い,平均量推定課題の成績との関連性を検討する.次に,研究3-1で得られたデータをもとに,モダリティ間の成績の相関関係の検討を行う.さらに,異なる提示刺激間での学習効果の転移特定の感覚モダリティについて平均量推定の学習を行い,学習が進んだ観察者にたいして,異なるモダリティについて同様の課題を行い,相互に学習の転移が生じるか否かを検討する計画である.
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次年度使用額が生じた理由 |
【次年度使用が生じた理由】主な理由は,以下の2点である. 1) Covid-19感染拡大予防対策のため,学内での触覚刺激実験を行えなかったため,当該実験協力者への謝礼の支払いが発生しなかった. 2)Covid-19感染拡大予防対策のため,国際学会参加において現地までの交通費や宿泊費が発生しなかった. 【使用計画】6月-7月末に予定している触覚刺激実験において,実験協力者への謝礼として使用する計画である.また,研究成果を論文にまとめて学術雑誌に投稿する過程において,英文校正の費用として使用する計画である.
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