研究課題/領域番号 |
17K04514
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研究機関 | 国立研究開発法人産業技術総合研究所 |
研究代表者 |
藤崎 和香 国立研究開発法人産業技術総合研究所, 自動車ヒューマンファクター研究センター, 主任研究員 (20509509)
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研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2021-03-31
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キーワード | 時間知覚 / 質感知覚 / 同時性判断 / 感覚フィードバック |
研究実績の概要 |
質感は空間や時間とともに感覚モダリティをまたぐように存在する。感覚モダリティをまたぐように存在する情報は異なる感覚間をつなぐ重要な手がかりとなるだけでなく、感覚統合の結果としてまた新たな知覚体験を生起させる。本研究はこれまで個別に研究されてきた時間知覚と質感知覚の関係性を多感覚統合の観点から明らかにすることを目的とする。具体的には感覚モダリティをまたがった情報間の時間ずれが、直接同時性や同期性を訊くと識別できない場合であっても、質感知覚として符号化されると識別できる場合について、その符号化のメカニズムや情報処理の階層性を解明することを目指す。今年度は、自分の動作と感覚フィードバックとの間に遅延を挿入し、被験者に同時性判断と質感判断を同時に行っていただく予備的観察を行った。今回の予備的観察結果を参考にして、今後、質感判断と同時性判断の順番や、一度に訊く質問項目数のボリュームなどを調整していく予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
所属研究機関において、建物の空調工事で実験室に入室できない時期があったこととやそれにともなう引っ越しがあったこと、不正アクセス対応のためのシステム遮断やネットワーク制限等があり、予備的観察は可能であったが、精密に条件を統制した実験実施を行うことが困難な時期があった。
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今後の研究の推進方策 |
2018年度より、研究所から大学に異動した。初年度のため、倫理申請を新しい所属で出しなおしたり実験室を整備したりといった時間が必要であることが課題である。一度立ち上げたら、その後はスムーズに進むと思われるので、対応策としては、拙速に立ち上げて後でやり直しになって却って時間をロスするといったことにならないように、必要な時間をかけて実験環境を構築し、その後に着実に成果を上げられるようにしていきたい。
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次年度使用額が生じた理由 |
所属研究機関における建物の空調工事とそれにともなう引っ越し、また不正アクセス対応のためのシステム遮断やネットワーク制限などにより、今年度は予備的観察にとどまり、本格的な実験実施にまで至らなかった。本来予定していた経費は今年度に繰り越して使用する計画である。
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