研究課題/領域番号 |
17K04526
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研究機関 | 山形大学 |
研究代表者 |
森田 智幸 山形大学, 大学院教育実践研究科, 准教授 (70634236)
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研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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キーワード | 協同的な学び / 教師の学び / ナラティブ / 学びの共同体 / 教師の学び |
研究実績の概要 |
平成30年度は、事例対象校の談話記録・ナラティブ記録の収集、記録の分析を実施した。 3つの事例対象校について授業研究会への参加と記録の収集、インタビューの実施と記録を行った。3校の授業研究会に月1度ずつ参加し、その様子を動画・音声データで記録した。インタビューの記録は、文字起こしを行いデータとして整理した。 今年度の成果は、学校外の研究会を継続的に実施してきたことに加え、1度の国内学会、1度の国際学会での報告、さらには、タイ国の公共放送局であるPBS、タイ国チュラロンコーン大学准教授Athapol氏と、本研究の成果を生かしタイの教育番組のプログラムを作成したことにある。 国際学会では、「わからない」子が「わからない」と言えない問題について、発話時、説明を聞く時のグループメンバーの関係に着目し、発話者、それを聞く人双方の孤立の克服が重要な課題であることを報告した。本課題は、学校外での研究会で生じた問題の一つである(MORITA(2018)From Listening Alone to Listening Together:Learn from Interaction of Slow Learners , The sixth conference of School as Learning Community, Fujiam China.)。 また、"I Want To Be a Teacher"(全12回)の中の1コーナーとして、学校単位ではなく地区での授業研究会における教師の学び、そこに参加する学生の学びについてプログラムを作成した(タイPBS(2019)"I Want To Be a Teacher"(タイ語))。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
事例対象校についての記録の収集は当初の予定通り順調に進展している。記録の分析について、口頭発表を2件報告できた。 学校外の研究会の事例分析について、研究論文としての分析はまだ報告できていないが、TVプログラムを作成することができた。このプログラムも利用して2019年度の研究を進めたい。
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今後の研究の推進方策 |
本研究の目的は、学校改革の持続を可能にする、改革ネットワーク上における教師の学びの特色を検討し、ネットワーク構築の意義を明らかにすることにある。平成30年度には、ネットワークにおける学びの様子をTV番組として記録すること、また、授業中に生起する課題を学会で報告することができた。一方で、学びの特色自体を研究論文として十分に分析できていない。 今年度は、学校外の学習会の記録を発話プロトコルとして起こすこと、さらには、それに基づいたインタビュー調査も実施し、分析結果を論文としてまとめる。分析の結果は、国内外の学会において報告することを目指す。
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次年度使用額が生じた理由 |
記録データを発話プロトコルにする際に生じる人件費について、不足分が出ないように若干多めに計上し遂行したために生じた金額である。次年度、消耗品等の執行にあてたい。
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