研究実績の概要 |
令和元年度は、談話記録・ナラティブ記録に基づいた記録の分析を実施した。記録は、前年度までに、3つの事例対象校を中心に収集したものである。なお、今年度も授業研究会への参加と記録の収集、インタビューの実施と記録を行った。3 今年度の成果は、ネットワーク上において、低学年における学び合いの困難が主題として浮かび上がってきたことにある。低学年における学び合いの実践において、教師たちは、落ち着かず、教室の学びに参加できない子どもが多い、という問題認識をしていた。こうした中では、教師たちは、授業を受ける姿勢の指導と、学びの自由さの間で葛藤することになる。姿勢に対する指導がうまくいかない中で、学びの場をつくる、という主題が浮上することとなった。そこでの教師たちの実践は、ものを持ってくる、音楽を使う、体を使う、などの工夫を発想し、低学年の学び合いづくりを展開していった。 以上の成果は、Morita(2019)Design for Collaborative Learning through Object in Lower Graders, The Seventh International Conference for the School as Learning Community, IMPACT Forum, IMPACT Muang Thong Thani, Thailandとして報告した。 また、昨年度に引き続き、「わからない」が、子ども個人固有の問題から、関係の問題へと転換することが、学び合いづくりの鍵になっていくことについて、Morita(2019)Pursuing both Inquiry Learning and Listening Relations, 第三届学習共同体大会, 北京大学において報告した。
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