研究課題/領域番号 |
17K04527
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研究機関 | 筑波大学 |
研究代表者 |
根津 朋実 筑波大学, 人間系, 准教授 (50344958)
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研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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キーワード | "teacher as researcher" / 教育評価 / 評価アイデンティティ / 「研究者としての教師」 |
研究実績の概要 |
本研究課題は3カ年の研究期間であり、平成29年度は第一年次に相当する。 主な研究活動として、まず作業課題(1)「文献調査及び質的調査により、教員の評価活動の実態や経験を把握し、教員による評価アイデンティティに関する分析枠組を設定する」の遂行にあたった。前提となる概念「評価者としての教師」はこれまで検討が乏しかったため、関連する「(実践)研究者としての教師」(teacher as researcher)概念を参照し、各種資料の収集と整理に努めた。 次に作業課題(1)の成果を発信した。具体的には、本研究課題と密に関連する専門学会へ新規入会した。以降の参加や研究発表を計画している。また、複数の研究会(招待)や、日本カリキュラム学会第28回大会の課題研究(指名)で、関連する研究成果を発表した。「(実践)研究者としての教師」概念は、歴史的にみて、1960-70年代の英国カリキュラム開発、とくに"The Humanities Curriculum Project"やその主導者Stenhouse, L.と深い関係にあった。この知見から、本研究課題で注目する「評価者としての教師」もまた、日々の評価実践と不可分と考えられる。 さらに、作業課題(2)「設定した分析枠組にもとづき質問紙を作成し、教職志望者や現職教員を対象に量的調査を実施する」に着手した。個人情報を含む調査を実施するため、オンラインでCITI JapanおよびINFOSS情報倫理講習を受講した。また所属機関の研究倫理審査を申請し、審査を経て承認された(2017年6月1日付)。現在、量的調査の予備段階として、複数の教員を対象とした聴き取りを計画している。なお作業課題(1)の結果、「(実践)研究者としての教師」概念が想定外に豊富だったため、単独の論文に収まらなかった。第二年次は、作業課題(2)の各種調査に着手する予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
第一年次の作業課題(1)は順調に進んでおり、現在、作業課題(2)へと移行しつつある。
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今後の研究の推進方策 |
第二年次は質的・量的調査研究に着手する。必要に応じ、研究倫理審査の申請ないし計画変更を行う。
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次年度使用額が生じた理由 |
申請時の予算が採択時に減額されたため、第一年次の研究は、当初の計画よりも規模を縮小して実施した。また、調査研究用のノートパソコンの購入を、第二年次に延期した。結果的に、一定の次年度使用額が発生した。第二年次は、各種調査研究の手続きや論文投稿等、研究の進捗に伴う相応の費用発生が見込まれる。次年度使用額は、第二年次のこれらの経費に充当する予定である。
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