• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

2018 年度 実施状況報告書

「ケアリング・コミュニティとしての学校」における教師の専門的力量形成過程の研究

研究課題

研究課題/領域番号 17K04529
研究機関埼玉大学

研究代表者

北田 佳子  埼玉大学, 教育学部, 准教授 (60574415)

研究期間 (年度) 2017-04-01 – 2020-03-31
キーワード教育学 / 教師教育 / 教職専門性 / ケアリング
研究実績の概要

平成30年度は、「ケアリング・コミュニティとしての学校」の事例としてアメリカの学校の視察、関係者へのインタビュー、文献調査等を行い、当該校において、様々な理由から学習に困難を抱えている子どもたちに対しいかなる教育実践が行われているのかを明らかにするとともに、ケアをめぐる教師の専門的力量が学校組織のなかでどのように育まれるのかを分析した。
具体的には、1970年代から90年代半ばまで「ケアリング・コミュニティとしての学校」の好例であったはずのアメリカ、ニューヨーク市のセントラル・パーク・イースト小学校・中等学校において、近年のアカウンタビリティ政策により、子どもたちへの支援の在り方や教師の同僚性・信頼関係がいかなる影響を受け、学校がどのように変容していったかという過程を種々の文献に基づき調査分析した。その成果を、日本教師教育学会第28回大会の課題研究第2部会のシンポジウムにて発表した。
さらに、セントラル・パーク・イースト小学校・中等学校を創設したデボラ・マイヤーがボストンに創設したミッション・ヒル・スクールを訪問し教育実践の実態を視察するとともに、校長へのインタビューを行った。その際、当該校における学習に困難を抱える子どもたちを支援する学校づくりや教師の協同の在り方に焦点化し、観察やインタビューを実施した。この現地調査の成果については、現在、データの整理と分析を行っている途中であり、次年度に論文として発表する予定である。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

平成30年度は、「ケアリング・コミュニティとしての学校」の事例としてアメリカの学校の視察、関係者へのインタビュー、文献調査等を行い、その研究成果を学会のシンポジウムで発表した。また、本研究計画当初に予定していた調査校に加え、新たな「ケアリング・コミュニティとしての学校」を訪問し、視察やインタビュー調査を行うことができた。この現地調査の成果については、現在、データの整理と分析を行っている途中であり、次年度に論文として発表する予定であるが、以上のような調査・研究を推進することができたため、平成30年度の目的は概ね達成できたと考えている。

今後の研究の推進方策

本研究の最終年度にあたる次年度は、平成30年度に実施したアメリカ現地調査の成果を論文化するとともに、日本における「ケアリング・コミュニティとしての学校」づくりを実践している学校でフィールドワークやインタビュー調査を行うことを計画している。特に、調査予定校の取り組みの特徴である「ケアリングと学習の一体化」という実践に焦点化し、毎月開催される校内授業研究を通して、教師たちが同僚とともにどのような過程を経て、「ケアリングと学習の一体化」という実践を推進するための専門的力量を形成しているのかを分析する。
そして、これまでの3年間の研究の蓄積を総括し、「ケアリング・コミュニティとしての学校」の特徴を実践・理論の両面から描出するとともに、「ケアリング」という概念が、専門職としての教師の実践と成長にいかなる役割を果たしているのかを解明する。

次年度使用額が生じた理由

平成30年度内に購入予定だった書籍のうち、一部が年度内に入手できなかったため、若干の金額を次年度に繰り越すこととなったが、この繰り越し金は、次年度の助成金の「物品費」と合わせて、当該書籍の購入にあてる計画である。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2018

すべて 学会発表 (1件) (うち招待講演 1件)

  • [学会発表] アカウンタビリティ政策が教師の教育実践に及ぼす影響:セントラル・パーク・イースト小・中等学校の事例を手がかりに2018

    • 著者名/発表者名
      北田佳子
    • 学会等名
      日本教師教育学会第28回大会
    • 招待講演

URL: 

公開日: 2019-12-27  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi