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2020 年度 実施状況報告書

「ケアリング・コミュニティとしての学校」における教師の専門的力量形成過程の研究

研究課題

研究課題/領域番号 17K04529
研究機関埼玉大学

研究代表者

北田 佳子  埼玉大学, 教育学部, 准教授 (60574415)

研究期間 (年度) 2017-04-01 – 2022-03-31
キーワード教育学 / 教師教育 / 教職専門性 / ケアリング
研究実績の概要

令和元年8月から令和2年6月まで、アメリカ・カリフォルニア州にある教育研究機関にフルブライト客員研究員として在籍しながら、サンフランシスコ統合学区における「授業研究」を中心とした「ケアリング・コミュニティとしての学校」改革の事例を調査し、その研究成果を、日本に帰国後、アメリカ教育学会第32 回大会 シンポジウムで発表した(「公正とエクセレンスを追求する米国の公立学校改革:サンフランシスコ統合学区における公立学校改革」)。さらに、国際学会(The 8th International Conference of School as Learning Community)では、招待講演者の一人としてシンポジウムに登壇し、新型コロナウイルスによるパンデミック下における「ケアリング・コミュニティとしての学校」づくりの重要性を、カリフォルニア州の事例と日本の事例を関連づけながら発表した("The Power of Learning Community under the COVID-19 Pandemic”)。また、当国際学会では、ZOOMによるオンラン開催の利点を生かし、日本の公立小学校での授業研究をライブで世界26各国の学会参加者に配信し、「ケアリング・コミュニティとしての学校」づくりにおいて、「授業研究」が果たす役割についての研究成果の発表も行った。
加えて、平成30年度にカナダ・オンタリオ州で行った調査に基づき、レッジョ・エミリアアプローチによる「ケアリング・コミュニティとしての学校」づくりを支援する自治体の取り組みに関する研究の成果を、共著論文として発表した(浅井幸子、黒田友紀、北田佳子「カナダ・オンタリオ州のレッジョ・インスピレーション : 全日制幼稚園の実施過程に着目して」『東京大学大学院教育学研究科紀要』60、2020年、pp.645-662)。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

上述のように、令和元年8月から令和2年6月までフルブライト客員研究員としてアメリカに滞在することになったため、本科研研究の補助事業期間の延長を申請し、当初から研究計画にあったアメリカでの現地調査をさらに発展させ順調に進めてきた。しかし、アメリカ滞在中に新型コロナウイルス感染症の拡大により、それまで進めてきた複数の調査を一時断念したり、計画の一部変更を余儀なくされたため、補助事業期間の再延長を申請することとなった。このように、当初の研究計画を変更せざるを得なくなったことによる困難も生じたが、それ以上に、この未曽有の出来事により、教育格差の問題がこれまで以上に顕在化する状況において、「ケアリング・コミュニティとしての学校」を重視する複数の自治体や学校関係者とつながりをもち、現地調査やインタビュー調査等を行うことができたことは、本科研研究にとって大きな成果であったと考える。特に、アメリカ・カリフォルニア州や、カナダ・オンタリオ州における、自治体の教育行政と学校の連携に関する研究結果は、今後、日本での「ケアリング・コミュニティとしての学校」づくりに重要な示唆を与えるものであったと捉えている。これらの研究調査結果は、現在、引き続きデータの整理と分析を行っており、次年度に複数の論文として発表する予定である。したがって、現在まで、本研究はおおむね順調に進んでいると考えている。

今後の研究の推進方策

本研究の最終年度にあたる次年度は、これまで実施してきたアメリカやカナダ、ならびに日本国内において実施してきた調査研究の成果を総括するとともに、ひきつづき論文や学会発表によって積極的に発信していく。さらに、国内外の複数の事例研究を有機的に関連付け、さらには、本年度の研究成果から明らかになった自治体の教育行政と学校との連携システムの重要性を念頭におきながら、「ケアリング・コミュニティとしての学校」の特徴とその意義を、実践・理論の両面から解明し、本科研研究の最終的な成果としてまとめあげる。

次年度使用額が生じた理由

令和元年8月から令和2年6月までフルブライト客員研究員としてアメリカに滞在することになり、さらにアメリカ滞在中に、新型コロナウイルス感染拡大の状況下におかれたため、当初の調査計画を一部変更し研究実施期間を再延長したため、本来使用予定だった調査費や文献購入費等を、次年度に繰り越すこととなった。この繰り越し金は、次年度における調査費、文献購入費、データ分析にかかる費用等に使用する予定である。

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2021 2020

すべて 雑誌論文 (1件) (うちオープンアクセス 1件) 学会発表 (2件) (うち国際学会 1件、 招待講演 2件)

  • [雑誌論文] カナダ・オンタリオ州のレッジョ・インスピレーション : 全日制幼稚園の実施過程に着目して2020

    • 著者名/発表者名
      浅井幸子、黒田友紀、北田佳子
    • 雑誌名

      東京大学大学院教育学研究科紀要

      巻: 60 ページ: 645-662

    • オープンアクセス
  • [学会発表] The Power of Learning Community under the COVID-19 Pandemic2021

    • 著者名/発表者名
      北田佳子
    • 学会等名
      The 8th International Conference of School as Learning Community
    • 国際学会 / 招待講演
  • [学会発表] 公正とエクセレンスを追求する米国の公立学校改革:サンフランシスコ統合学区における公立学校改革2020

    • 著者名/発表者名
      北田佳子
    • 学会等名
      アメリカ教育学会第32 回大会
    • 招待講演

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公開日: 2021-12-27  

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